ポプリン(poplin)・・・。
なんだか、可愛い名前ですが。
(この名前を聞くとポムポムプリンを思い出してしまいます。)
ワイシャツに使用される素材として有名ですが 聞き慣れないない方も多いのでは。
繊維業界でもなんとなく知ってるぐらいの人が多いのではないではないでしょうか。
今日は、ポプリン☆についてまとめてみます。
ポプリン生地の語源 パペレイン?パパリーノ?
語源はフランス語の”papelaine”(パペレイン)とか。
パペレインは、アビニョン村のフランス法王から来ているらしいですが、
イタリア語で”papalino”(パパリーノ)が語源とも。
“papa”はイタリア語で法王、”lino”はリネン、つまり麻を意味します。
1791年迄ローマ教皇の所管地アビニョンで作らていた織物が発祥など諸説あります。
さらに、イギリスではブロードをポプリンと呼びますよね。
奥が深い素材です。
現在は綿100%のイメージが強いですが、当時はシルクとウール使いの生地多かったようです。
シルクとウールの交織・・・かなりの高級品ですね。
現在のポプリンはというと経糸、緯糸に40番手の単糸を使用した平織りが一般的な規格です。
ポプリン生地の特徴は?メリット
生地表面の特徴は、細い畝が横方向に走っているところ。
知る人ぞ知ることですが、シワ加工や塩縮加工等の表面変化をつけた手触りの面白いタイプの生地が多いのも特徴的です。
前述の通り、イギリスではブロードをポプリンと呼ぶように、ブロードとポプリンはとても似ている素材。
どんな風に違うかと言うと・・・
ポプリン生地とブロード生地の違い
織り方はどちらも同じ平織りです。
違いを簡単に説明すると、使用している糸。
ただそれだけです。
ポプリン生地は、たて糸にもよこ糸にも40番手の単糸を使用していますが、
ブロードは、タテ糸、ヨコ糸に40番手単糸、60番手単糸、80番手双糸等細い糸を使用、ポプリンより高密度の素材です。
ポプリンの方がブロードより太い糸を使用しているんです。
糸番手は数字が大きくなるほど、細くなります。
つまり、ブロードの方が細い糸でしっかり織られている薄手素材と言うわけです。
例えば、100%の同じ素材の糸を使用して織った場合、
細番手で緻密に織ったものと太番手で織ったものでは、前者の方が、風合いは柔らかく滑らかな仕上がりになるので
ポプリンよりブロードの方が風合いが良いんじゃないかなって思うんですが、
40番手より細い60番手で織られたポプリンもあるわけで・・・。
見分けるのは難しいですね。
ポプリン生地のメリット
ポプリン生地のメリットは、通気性が良く、着心地が良いこと。
生地表面は、しなやかで上品な光沢感があり、フォーマルなイメージです。
また、丈夫で耐久性もあります。
使用素材によってもことなりますが
コットンやリネンなどの天然繊維を使用したものは、吸湿・吸水性、保温性に優れています。
使用されるアイテムを紹介
通気性が良く、着心地が良いので、春~秋シーズンに最適です。
カジュアルシャツ、カジュアルブラウスだけでなく、
しなやかで光沢感のあるドレスシャツ、スーツの下に着るワイシャツなどにもおすすです。
高級感のある素材は、オートクチュールなどでも使用されています。
肌触りの良いポプリンは衣類に限らず、シーツやカバーなどの寝具、最近は布マスクに使われることもあるようです。
有名なリバティプリントでも使用されています
ロンドンにあるリバティ百貨店のプリント生地、リバティプリント。
ハンドメイド、手芸などをされる方はご存知の方も多いのではないでしょうか。
リバティで使用される素材の多くは、横糸に100番手の糸・縦糸には70番手と
極々細い糸を使用したタナローンと呼ばれる繊細な素材ですが、
型崩れしにくく、タナローンよりも丈夫で耐久性のあるポプリン素材もあるんですよ。
GポプリンのGって?
ポプリンの前にGとかCBというアルファベットが入る生地も有ります。
“Gポプリン”はポプリンより20番手の単糸を使用して、
同じ20番手の平織り”シーチング”と比べて密度が多く、厚みが有り、しっかりしています。
エプロンや祭りの法被、旗などのアイテムに使用されています。
ポリエステルとコットンの混紡糸を使用したGポプリンは洗濯耐久性が高く、
丈夫な素材として、外食産業のユニフォーム用途生地の定番です。
“CBポプリン”はGポプリンと比べて若干打込み本数が少ない20番手単糸使いの平織りです。
(シーチングよりはしっかりしています)
トーカイや大塚屋等の手芸店や通販店に並んでいる色々な種類、
カラーの柄をプリントしたクロス商品に使用されています。
テキスタイル業界に18年間携わっていますが、GとCBが何の略、意味なのか未だにわかりません・・・。ご存知の方、是非教えて下さい!
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