一番使いやすい生地って何だろう?
ミシンでも手でも縫いやい生地ってなんだ?
使いやすい素材ってなんだ?
色々なものに使える布ってなんだ?
生地の種類って多いから難しい。
初心者の方は特に。
だから、値段も手ごろ(使用糸にもよりますが)で使い勝手の良い素材、ブロードをご紹介します。
手作り、ハンドメイドにはピッタリの定番素材です。
ブロードの特徴
ブロードは、平織りの生地です。
布の表面を見ると縦糸と横糸がクロスしています。
こんな感じで。
これが平織り生地です。
上記写真を見て頂くと分かるようにブロードは縦糸の密度が横糸の約2倍で織られています。
ブロードの表面はなめらかな光沢があり、肌触りも柔らかいのが魅力です。
双糸(そうし)で織られたブロードは、さらにきめ細かく肌触りの良くなります。
(※双糸・・・糸を2本撚ったもの。細い糸を2本使用するのできめが細かくツルッとした肌触りの良さが生まれます。)
織り目も詰まっていて、繰り返し洗っても丈夫で耐久性に優れています。
生地の厚みはやや薄手ですが、使用している糸によって異なります。
また使用されている糸の太さ(糸番手)によっても異なります。
主に使用されているのは40番手~50番手です。
糸の番手は数字が大きくなる程に細くなります。
なので80番手~120番手を使用した布は滑らかで上質な高級感があります。
使用している糸によってどんな違いがある?
元々、ウール(羊毛)で作られた布で毛織物のことをブロードと言っていました。
現在では、綿の他、絹、ポリエステルを使用したブロードが一般的ですね。
(豆知識:ポプリンと言う素材を聞いたこともあるかと思いますが、ブロードは英文でポプリンと言います。
【ブロード=ポプリン】 と言うことになります。)
織り上がった生地には使用する糸の特徴が現れます。糸の特徴とあわせて使用用途をご紹介致します。
綿(コットン)100%で織られたコットンブロード
1210-1 ブロード 洋ナシモチーフの北欧柄
綿(コットン)は吸水性が良いので汗や水分を吸収してほしいタオルやTシャツに使用されています。
綿で織られたコットンブロードも同様に吸水性が良く、肌わ触りが良く、清涼感があります。
デメリットは、洗濯後にシワになりお手入れが面倒なことと縮むこと。
縮みを考慮して使用することが大切です。
そんなコットンブロードは老若男女問わず、アパレルアイテムに使用されることが多いです。
例えば、シャツやブラウス、ワンピースなどなど。薄手なのでどちかと言うと春夏アイテム向けです。
その他、マスクやハンカチ、エコバッグにもいいですね。
ポリエステルと綿を使用したT/Cブロード
HT-3010 T/C 208本ブロード
ポリエステル繊維は石油を原料にして作られた化学繊維です。
ポリエステルは熱に強く、耐久性もあります。
また、シワになりにくく、乾きやすいと言うメリットも。
欠点は、静電気が起きやすいこと、毛玉ができやすいことが上げられます。
そんなT/Cブロードは、制服やエプロン、シャツなどに使用されます。
毎日、お洗濯が必要なものにはとてもありがたい素材です。
ホテルや旅館の浴衣やのれんにも向いています。
麻を使用したリネンブロード
RN5055 プラット・エアーイン リネンブロード
麻糸は、独特のシャリ感とぷるんとしたハリ感のある素材です。
コットンと同様に通気性、吸水性が良く、春夏アパレルにとても向いていますが
コットンよりもシワになりやすいのが残念。
でもこのシワになりやすいと言う特徴を生かし、ワッシャー加工(しわ感を出すしわ加工)を施した布もあります。
味があって素敵なんですよね。ナチュラル系が好きな方はリネン好きな方も多いのでは。
更に、麻は使う度に風合いが増しすのもリネン好きが多い理由かもしれません。
リネンブロードは、春夏のシャツやパンツ、ワンピースなどに使用せれる他、ナチュラル系のインテリアにもおすすめです。
シルクを使用したシルクブロード
N76137 コットン・シルク
シルク糸は、吸水性・吸湿性に優れています。
吸水性は綿の1.5倍ほど。
また保温性にも優れているので、秋冬の感想する時期には、この保湿性と保温性を生かしたシルクアイテムが活躍します。
でも、活躍するのは冬だけではありません。
サラッとしたシルクは、汗ばむ夏に着用すれば、吸水性・吸湿性が良いので快適に過ごせます。
シルクブロードはレディスブラウスやメンズドレスシャツに使用すればエレガントな印象になります。
寝具などに使用すれば、お肌にも嬉しい快適な睡眠が目指せます。
他の布とどんな違いがあるの?
シーチング
OG-2450-P シーチング トルコオーガニックコットン
シーチングもブロード同様、平織りの布です。
ブロードとの違いは、厚みと目。
シーチングの方が目が荒く、少し厚みがあります。
オックス/オックスフォード
3001 プレミアムオックス
オックスも同様に平織りと言いたいところですが、平織りの変化形の斜子織りというもの。
「ななこおり」と読みます。
平織りと同じ要領で織るのですが、タテ糸、ヨコ糸共に2本以上の糸を束ねて織ります。
束ねるだけで撚るわけではありません。
こんな感じです。
そのため、隙間が多くなり、平織りに比べ通気性が良くなります。
また、太い糸で織ったようになるのでブロードよりも厚みがあります。
ツイル
33282-SO 11オンス先染赤系オレンジデニム
ツイルは、ブロードとは違う綾織物。
綾織物は斜文織りとも言われ、タテ糸とヨコ糸の交差点が斜めに現れます。
これを斜文線とか綾目と言います。
デニム生地やチノクロスも綾織りです。
こんな感じ。
綾織でもヨコ糸2本飛ばしか3本飛ばしかによって、生地名が違います。
ツイルと呼ばれるものは、3本飛ばしのもの。
2本飛ばしのものは、サージと言う布になります。
綾織りのツイルは伸縮性があり、上品な光沢感と柔らかい肌触りが特徴です。
タイプライター
BD1775 70/-タイプライターストレッチ
タイプライターと聞くとこっちのタイプライターを思い出しますね。
でも、「タイプライター」と言う名前は、このタイプライターが由来とも言われています。
タイプライターに使用する印字用リボンに使用されていたとか、。
タイプライターで文字が打てる程、丈夫とか。
この説のように、実際、タイプライター生地は文字が打てるほど表面が滑からで張りがあって丈夫。
というのも、長く細い綿糸を密に織っているから。
だから、丈夫なのに軽いので夏にも向いていますが、緻密に織られていて保温性にも優れた素材だから1年通して活躍する素材です。
ローン
KKC603SS 綿60ローンシルクソフト
こちらもブロード同様、平織りの素材。
織り糸には、とても細く上品な糸を使用しているので薄手で繊細な風合い。
指どおりも滑らかですが、透け感の強い生地です。
軽快で爽やかな雰囲気は、春夏にマストな素材です。
プリントやカラーが豊富
1021-1210-1 ブロード
ブロード素材は、
水玉、花柄、チェックや子供向けの柄や最近はフルーツ柄(チェリーやりんごなど)などなど、豊富に揃っています。
また、プリントされたブロード生地はアメリカンキルトやハワイアンキルトにも使用されます。
地直しの方法
作る前には地直しが必要です。
地直しとは、生地目を真っすぐに整えること。
地直しせずに、洋服を作ってしまうと洗濯後に洋服に歪みが生じてしまいます。
洋服の中心がまっすぐではないと身体に対して洋服がねじれてしまい着心地も見た目も台無しです。
平織り素材の地直しは・・・
①生地耳に切り込みを入ます。
大体、約10cm間隔で斜めに入れて行きます。
こうすることで、歪んだ生地目の逃げ場ができ生地目を戻しやすくなります。
②霧吹きで水をかける
生地に霧吹きで水をかけます。(洗濯後の縮や歪みをなくすため洗濯機で洗濯・脱水をしても良いです。)
③空アイロンをかける。
目がタテ、ヨコ真っすぐになるように整えます。
真っ直ぐになったでしょうか?
布・生地・素材を知って丁寧にものづくりをするって楽しいですよ。
安く、量産されたものを買うのではなく、お気に入りの布を探して丁寧に作ったものは、上質で長く大切に使うことが出来ますね。