テキスタイルネットで取り扱っている天然素材をご紹介します。
おもいっきりナチュラルな雰囲気を楽しめる天然素材。
英語ではNatural Fiberと呼ばれます。
ナチュラル派に人気の天然素材の特徴や魅力に迫ってみたいと思います。
-目次-
- 1.天然繊維とは?(メリットデメリット)
2.天然繊維を利用した再生繊維とは?
3.天然繊維と化学繊維の相違点
4.天然繊維の取り扱い
1.天然繊維とは?
化学的なものではない自然界の素材を利用した繊維のこと。
もちろん化学繊維よりはるか昔から使用されている天然素材ですが、
日本では5000年以上も前の縄文時代には使用されていた事が分かっています。
5000年前は麻を衣料用の布として使用していたようです。
天然素材にもさまざまな種類がありますが、その中でも麻が最も古くその後に綿がつづきます。
1900年前の2世紀ごろには絹の利用も見られるようです。
自然の素材とは、草や木(木材)、紙などの植物繊維のものとシルクやウールなどの動物繊維のものがあります。
【天然繊維の種類】
■植物繊維
植物繊維は、繊維の長さや太さがバラバラ。
同じ植物の繊維を揃えて使用しています。
主な成分は、動物繊維にはほとんど見ることのない有機化合物のセルロースです。
綿は、綿花から採れたワタのことで、布の綿は木綿にあたります。
「ワタ」の木の実を守る役割をもつ、白いフワフワとした「種子毛(しゅしもう)」が綿となります。
この種子毛が白い花のように見えるため、「綿花」と言われるようになりました。
綿(コットン)素材を見る
麻をリネンと呼ぶ方もおりますが、正確には亜麻を原料としたものをリネンと呼びます。
麻好きの方はご存知かと思いますが、
麻はアサ科の植物から作られた繊維で「ヘンプ」と呼ばれるものがこれにあたります。
「リネン」はアマ科の亜麻から作られたものを言います。
麻は麻でも種類が違いとても天然繊維の歴史からもわかるようにとても奥深い素材です。
麻素材を見る
■動物繊維
動物繊維は、その名の通り動物から取れたもの。
羊やアルパカ、アンゴラなど以外にも昆虫である蚕(カイコ)から取れる高級素材、絹も動物繊維に含まれます。
主な成分は、私たちの髪の毛や肌、爪と同様のケラチンと言うタンパク質です。
一般的にウールと呼ばれるものは羊毛を指します。
毛糸と呼ばれるものには、カシミヤ山羊から取れるカシミヤやアンゴラ山羊から取れるモヘヤの他、
ウサギから取れるアンゴラやアルパカも含まれます。
また、ラクダの毛からとれるキャメルも非常に柔らかくしなやかで良質で布団などに使用されれいます。
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カイコの繭からとれるシルクは天然繊維で唯一の長繊維です。
品のある光沢感と滑らかな肌触りはこの長繊維から作られています。
繭を製糸し、糸状にした絹糸を生糸と言います。
絹(シルク)素材を見る
【天然繊維の特徴は?(メリットデメリット)】
■メリット
なんと言っても、自然の素材から作られる天然素材は、肌への負担が少ないことが魅力です。
なので肌に直接触れるような衣料品、下着や肌着・腹巻きの他タオルなどに使用されています。
その他には、
- ・吸湿性
・保湿性
・保温性
・吸水性
・通気性
・発散性
・染色性が良く(染まりやすい)加工しやすい
・風合いが良い
・ウールは伸縮性・弾力性がある
などなど。これだけの優れた機能を持っています。
その秘密は天然繊維の構造にあります。
繊維表面は、ボコボコとしており、特に動物繊維スケールと呼ばれる鱗状になっています。
この鱗状のスケールが湿気により開いたり閉じたりするため、吸湿性や保湿性に繋がります。
また、繊維の中が空洞になっているので、空気を含み保温性や加工のしやすさにつながります。
自然から取れる天然素材は、風合い肌触りだけでなく機能性にも優れており、
私たちの生活を快適にしてくれるだけでなく環境にも優しい素材です。
■デメリット
自然により作られる天然素材のデメリットは、
- ・化学繊維に比べ値段が高い
・シワになりやすい
・摩擦で毛羽立つ
・カビが発生しやすい
・動物繊維の主成分、たんぱく質は害虫の好物で、黄変(おうへん)することも
天然素材であるが故でどうしても化学繊維のようには行かず、少しお手入れで手間になる部分ですが、
これが天然素材らしさですよね。
【天然繊維の用途は?】
天然繊維はどんな商品に使用されているか?
シャツやワンピースなどの衣服で使用されるのはもちろん、ソファーカバーなどのインテリアにも利用されます。
天然繊維で織られた生地は、着心地の良い肌触り、なんと言ってもナチュラルな見た目がとても人気です。
2.天然素材を利用した再生繊維とは?
再生繊維には植物系のものと化学系のものがあります。
化学系のものはペットボトルなどを利用してポリエステル繊維を作ります。
植物系のものは、木材や綿などに含まれるセルロースを主原料としてつくられた再生繊維です。
セルロースを化学薬品で溶かし、溶かした液体を細いノズルから押出すことで繊維にします。
植物系再生繊維には、レーヨン・キュプラ・リヨセルがあります。
(同じ木材パルプのセルロースを使用したものでもアセテートやトリアセテートは、
再生繊維ではく半合成繊維に分類されます。
アセテートやトリアセテートは、木材パルプのセルロースやコットンリンターと化学物質である酢酸から作らています。)
ネクタイやスカーフ、裏地、風呂敷、傘などに使用されています。
3.天然繊維と化学繊維の相違点
化学繊維にも天然繊維に類似した素材がありますが、
天然繊維には天然繊維の良さが、化学繊維には化学繊維の良さがあります。
見た目が似ていても性質に異なる部分もあります。
【化学繊維とは】
天然繊維とは反対に化学繊維は、石油などを原料とし化学的な方法で人工的に作られた繊維なので人造繊維とも言われます。
ナイロンやポリエステル、ポリウレタン、アクリルなどの生地がそうです。
再生繊維のように溶かした液体をノズルから押出して作られるためフィラメントと呼ばれる長繊維になります。
押し出す際に使用される口金は、生クリームを絞る時のように様々な形状のものがあり、用途に合わせて繊維を作る事ができます。
化学繊維は天然素材と違い、値段も安く使い勝手が良いのでとても重宝されています。
中でもポリエステルは生産量トップの素材です。
【化学繊維の性質】
- ・大量生産できて安価
・シワになりにくい
・丈夫
・静電気が起きやすい
・摩擦により毛玉になりやすい
・型崩れしにくい
4.天然繊維の取り扱い
素材により異なりますが、天然素材はシワになりやすいのでピシッと着たい衣類にはアイロンが必須です。
洗濯機に入れっぱなしにするのはNGです。
加工によりシワ感を持たせた素材であれば、そのまま着られて楽ちんですね。
セーターなどウール素材の洗濯は、縮みや型崩れしないように押し洗いしたり、形を整えて陰干しするなどの注意が必要ですね。
洗濯方法や漂白剤の使用については、品質表示や洗濯ラベルを必ず確認するようにしましょう。
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