さあ、オーガニックコットンに包まれよう
私たちにとって最も身近な素材のひとつ、コットン。
コットンの布地は使い勝手がよく、心地よい肌触りのコットンは、私たちの暮らしに欠かせないものです。
コットン素材の商品も多数見かけますね。
そのコットン生地の原材料である綿花は、インド・中国・アメリカなど広大な土地を持つ国を中心に、世界各地で生産されています。
綿花を効率よく栽培するために、綿畑には大量の除草剤や殺虫剤、化学肥料が使用され、収穫の際には落葉剤を散布して機械で素早く刈り取る、という方法が一般的です。
しかし、そうした栽培方法は、土壌の汚染や農場で働く人たちの健康被害、薬品を購入するための農家の負担など、深刻な問題を引き起こしているのです。
綿花栽培に使用される農地は、全体の3%程度ですが、世界中で使用されている農薬の5.7%が綿花栽培に使用されていると言われています。
目次
- 1.オーガニックコットンとは?
2.オーガニックコットン製品とは?
3.オーガニックコットンと通常の綿の差
4.サステナブルで安心なオーガニックコットンの魅力
5.オーガニックコットンの取り扱い方法
1.オーガニックコットンとは?
オーガニックは、日本語で「有機の」とか「化学肥料を用いないで育てた」「有機肥料を用いた」と言った意味があります。
つまり、オーガニックコットンとは、有機栽培されたコットンのこと。
ですが、オーガニックコットンとされるためには、認証機関による厳しい基準をクリアしなくてはいけません。
認証基準の主な条件は?
■オーガニックの畑であることが認められているか
「オーガニックの畑」とは、環境や生物に影響をおよぼす農薬や化学物質を2~3年以上まったく使用していない農地のこと。
そのため、オーガニックの畑を用意するには最低でも3年、掛かります。
■栽培に使用されている農薬や肥料が厳しい基準を守って育てる
オーガニックコットンを育てるために使用する肥料は有機肥料でなくてはいけません。
昔は動物の糞や生ゴミを肥料にしていたことも多かったように思います。
これが有機肥料で生物由来の肥料のことです。
現状、生ゴミは、燃えるゴミとして捨てて良いとされる自治体がほとんどなので、
家庭で出る生ゴミを肥料にすることも少なくなりましたが、
一部地域では、燃えるゴミと生ゴミをきちんと分別していて、もちろん肥料として使用されています。
地球環境に配慮した取り組みです。
(私が昔住んでいた街がそうでした。)
水を切って新聞でくるみ、紙のゴミ袋に入れ、紙ひもで縛る。(しかも名前を明記)
少しでもビニールを感じると名前が書かれた袋がポツンと残されてしまいます。
分別はとても面倒だし、なかなか厳しいルールですが、ひとりひとりの取り組みって、とても大切なんです。
有機農法(オーガニック農法)と無農薬農法の違い
オーガニック=無農薬と言うイメージが持たれやすいのですが、全くの別物です。
有機農法では、栽培時に化学的な肥料を一切使用せず(使用禁止です。)、代わりに生物由来の肥料を使用する農法です。
無農薬農法は、読んで字の如く、農薬を使用しない農法ですが、使用している農地に農薬が残っていることもあるため、
「無農薬」という言葉を使った農産物・作物の販売は禁止されています。
農薬や化学物質が与える影響
農薬は、元々、虫害や病気の予防をする害虫駆除を目的とした薬剤でしたが
農業の効率化のため殺菌剤や防カビ剤、植物成長調整剤、枯葉剤などの除草剤なども農薬として使用されるようになりました。
害虫駆除のために使用する農薬は、益虫も殺してしまうことになります。
また、ベトナム戦争で使用された枯葉剤が人の身体に与える影響については皆さんもご存知の通りかと思います。
そのため、日本でも使用する農薬については規制がありますが、それでも世界に比べ日本の農薬規制はゆるいと言われています。
人間や生き物だけでなく、大地や水にも悪影響を及ぼす農薬もあります。
オーガニックの畑で育った有機肥料によるオーガニック農産物は人体にも地球環境にも安心で安全と言えます。
生地ではありませんが、オーガニック・国産原料にこだわったナチュラルなスキンケア製品を販売しているブランドthreeでは、
無漂白のオーガニックコットンが使用されています。
折角のオーガニックコットン。
できればそのまま使用したいですね。
有機栽培は、自然との格闘
有機栽培はとても管理が大変です。
ハーブを植えて虫がつくのを防いだり、手作業で雑草や害虫を処理したりと、
辛抱づよく、手間暇をかけ、自然の循環に沿った栽培をしていくのです。
化学物質に頼らず人の力と自然の力で作られるオーガニックな作物って本当に有り難いですね。
「本当に生きんが為に今この食事を頂きます。与えられた天地の恵みに感謝します。」
ってことですね。
高校生の頃に食事のマナーで教わた言葉です。
2.オーガニックコットン製品とは?
オーガニックコットンが最終製品となり私たちの手に届くまでには、紡績、織布、ニット、染色加工、縫製などの製造工程があります。
オーガニックコットン製品は、
オーガニック原料のトレーサビリティ(※生産段階~消費者段階又は、廃棄段階まで跡をたどることが出来ること。)、
オーガニックコットンの含有量に加え、上記のすべての製造工程において化学薬品の使用による健康・環境負荷を最小限に抑え、
労働の安全や児童労働などの社会的な規範を守り製造されたもの。
綿花を育てる大地などの環境を守ることだけでなく、コットンの生産に携わる人びとの暮らしが守られていなくてはいけません。
農薬を使用したコットンの生産により健康被害があってはいけないからです。
また、生産されたコットンをフェアトレードで取引することで、農家の貧困問題を解決することにつながります。
現在、コットン栽培をする農家のうち90%が貧困にや飢餓に苦しんでいると言われています。
オーガニック農法により経済的負担は40%削減されるそうです。
オーガニックコットン製品の栽培・製造背景から、私たちが製品を利用し廃棄するまで、製品の一生を見据えたモノづくりが重要です。
オーガニックコットンを選択することは、持続可能な社会への第1歩なのです。
3.オーガニックコットンと通常の綿の差
オーガニックコットン製品と普通の綿製品や綿素材とはどう違うのでしょうか。
実は、栽培方法や製造の違いがあるものの、手触りなどの素材自体に大きな差はありません。
農薬を使用して栽培された綿花自体に、残留農薬はほとんどないため繊維にも、もちろん農薬は残っていません。
なので、オーガニックコットンではなくても安心して使用はできます。
オーガニックコットンと通常のコットンを比べた時に異なるのが価格です。
手間暇かけて作られるオーガニックコットンはどうしても価格が高くなってしまいます。
でも、長い目で見ると安心で安全なオーガニックコットンを使用することはとても価値があることです。
農薬を使用して栽培される素材を使用し続け、人やその他生物、地球環境を犯し、
全てがゼロになってしまうのでは、安物買いの銭失いのような状況になりかねません。
4.サステナブルで安心なオーガニックコットンの魅力
素材自体の差がないと言えども有機栽培されたものと化学肥料をたっぷり浴びた素材、どちらを選びますか?
もちろん、オーガニックコットンですよね。
着心地良いだけでなく気持ちも気分も違います。
特に肌に直接触れるインナーやTシャツ、タオルなどには、気を配りたいですね。
オーガニックコットンだけでなく自然の恵みにより生まれる天然素材のメリットは、
肌の弱い赤ちゃんや子供、敏感肌の方にはとても優しいところ。
自然の温かみと肌触り、天然素材の良さを肌で思いっきり味わえます。
特にオーガニックコットンを使用して織られたダブルガーゼは、ふっくらと柔らかい風合いが魅力です。
通気性、吸湿性、保温性の良さなどの特徴もあるのでインナーとして使用したい素材です。
ASW4118 オーガニックガーゼ オーガニックコットン エンジェルシェアウォッシュ
SDGsの動きが活発になり、オーガニックコットンが使用された商品も増えてきています。
洋服などの衣類の他、ハンカチやマスクなどの小物の他インテリア雑貨など商品の種類も様々です。
オーガニックコットンを育てて下さった方への感謝の気持ちも込めて一度、使ってみてください。
5.オーガニックコットンの取り扱い方法
もちろん通常のコットンと取り扱い・洗濯方法は同じです。
品質表示・デメリット表示などを確認し長く、大切に使用していくことが、更にサステナブルに繋がります。
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