
ヘリンボーン(英語でherringbone)とは、模様の名称のこと。
ニシン(HERRING) と 骨(Bone)を併せた名前なんですね。
見た目が開いた魚の骨に似ているので、そう呼ばれています。
関西人なら絶対食べたことは有ると思う”にしんそば”。
今回はツイード定番素材のサキソニーに並ぶニシン骨生地、いいえ、ヘリンボーン生地のお話です。
ヘリンボン生地の柄はどうやって作られているの?

ヘリンボン模様の作り方には、いくつかの種類がありますが、
織物では「右上がりの綾織り(右綾)」と「左上がりの綾織り(左綾)」を交互に組み合わせた「V字型」が主流です。
(↑の写真のような織物です。見たことありますよね?)
ヘリンボン生地の特徴

ヘリンボーンの基本的な特徴は、綾織りと同じです。
ただし、右綾の丈夫さと、左綾の柔らかさの両方を兼ね備えているのが特徴でヘリンボーンの大きな魅力です。
着心地の良さと高級感を兼ね揃えた、まさにハイスタイリッシュ(古い)な素材。
その他には、
*生地の耐久性に優れている
右綾と左綾が交互に立ち、糸の撚り方向に沿った綾目が柔らかさを出して、
逆方向の綾目で片方向に寄らない様に生地のバランスを保つと共に、強力も保っていると言えるでしょう。
*シワになりにくい
生地にハリ・コシがあって、シワになっても回復が比較的早いことが言えます。
*高級感
綾目が立っている事で、光沢も出て特に先染め織物ではキレイに見えます。
フォーマルな素材にも使われたりしますね
インテリアなんかの世界では木目、床の模様にも使われたりしてたりします。
普段意識していなくても、様々なところでこの模様、柄が使われています。
ちょっと良い新冊、厚めのハードカバーの本に出会ったときには、ちょっとめくって見て下さい。
ブックの中にも生地が使われてたりしてて、中にはヘリンボンが使われてたりするんですよ。
ヘリンボン生地に使用されている素材は?

(左)ヘリンボンコートチェスターメンズ (右)左に表示したコートイメージに近い素材BW3619 ウォッシャブルウールツイード
天然繊維(綿、麻)から合成繊維(ポリエステルなど)まで、様々な素材のヘリンボンがありますが、
その中でもウールを使った生地、ツイード生地に使われたりすることをよく目にすると思います。
ウールのヘリンボン生地は秋冬のジャケットや、セットアップの素材に使われることが多い生地です。
綾目が重なり、厚みがあり暖かく、また柄がシャキっとした、締まった感じも表現される紳士向けに向いた素材ですね。
ベストとジャケットがおそろいのアンサンブルや、紳士的なイメージのスタンドカラーコート、ラップ風スカートもおしゃれで人気です。
ヘリンボン生地は、ニシンの骨?杉の葉?

日本では、「杉の葉」に似ているとされ、「杉綾」と呼ばれることもあります。
仕様によっては「杉綾」、片方だけが綾目模様の「片杉綾」などの生地も有ります。
また、スーツ製品、ボトム製品のポケット生地にポリエステル/綿混素材を中心とした、ヘリンボン生地が使われているものもあります。
特にポケット素材なんかで、手を突っ込んだ時にフラットな感触ではナック綾目を感じた時には、
そのブランドのこだわりを感じて良いんじゃないかなと思います。
ポケット裏にも綾目が有る方が手の出し入れをスムーズに感じられます。
杉綾と言えば杉綾テープ

白、黒、ネイビー、赤、ピンク、ブルー・・・105色揃っています。
杉綾テープは柔らかくとても使用しやすいテープです。
バイアステープの代わりに裁ち端を包んだり、厚手の素材を使用した際に見返しの代わりに使用したり。
とても使い勝手が良いのでおすすめです。
ヘリンボン生地はどんな商品に使われている?
綾目のサイズには細かいミニサイズや大きめのサイズがあり、トラッドを中心に様々な素材に使われています。
模様サイズだけでなく色や素材も様々です。
使用用途やデザインに合わせて選べるのであらゆるシーンや雰囲気にフィットします。
ヘリンボーン柄はコートやジャケット、シューズなどのアパレル以外にこんなアイテムに使われています。
【 キッチンマットやフロアマットとして 】
天然繊維を使用してエンボスで表現したヘリンボン生地は、吸水性に優れています。
デザインだけでなく機能面でも優秀ですね。
【 こたつカバーやカーテンとして 】
こたつカバーやカーテンは、部屋の雰囲気をガラリと変えるアイテムです。
コントラストのはっきりしたヘリンボン柄は、部屋をモダンな雰囲気にしてくれます。
【 ヘリンボーンラグとして 】
ラグヘリンボーン?
ラグもインテリアの印象を作る大きなポイントですね。