
生地の天日干しは、自然の太陽光と風を利用して生地を乾燥させる伝統的な方法です。
機械での大量生産が一般的になる以前から、職人の手によって染色や乾燥が丁寧に行われてきました。
一方で、近年では天日干しのような仕上がりを再現する“天日干し風”の加工法が存在します。
風って何?どう違うの?と素朴な疑問をもったあなたへ、
天日干し生地の基本的な仕組みから魅力、そして天日干し“風”との違いまで解説します。
1.天日干し生地とは?

まずは、天日干し生地がどのように作られ、どんな特徴を持つのか、その基本を押さえていきましょう。
天日干しの仕組みと工程
天日干し生地は、染色や洗いの工程を経たあとに太陽と自然の風でゆっくりと乾燥させることで生まれます。
職人が生地を一枚一枚広げるため、均一ではないシワや色のムラが生まれやすく、それが独特の表情となってあらわれます。
水分を自然環境の中で取り除いていくため、生地にはほどよい張りと柔らかさが同居した仕上がりとなるのが特徴です。
ときには天候や気温、湿度などの影響を強く受けるため手間がかかりますが、それこそが伝統的な手仕事ならではの味わいを生み出しているのですね。
「天日乾燥」と「機械乾燥」の違い
天日乾燥は太陽光と風の力を利用し、ゆっくりと水分を蒸発させていきます。
時間をかけて自然の力で生地を乾かすため、シワや色むらが出やすい反面、ナチュラルで柔らかな仕上がりにつながります。
一方、機械乾燥では短時間で大量の生地を乾かせますが、どうしても均一で無機質な仕上がりに偏りがちです。
また、機械乾燥は電力やガスなどのエネルギーを多く消費し、環境負荷が大きい面も否めません。
天日干しは手間や天候に左右されるデメリットもありますが、そのプロセスを楽しめる方にとっては、味わい深い魅力を感じさせてくれます。
製品としての仕上がり方や環境への配慮を考慮すると、どちらの方法を選ぶかは使い手の価値観や用途次第と言えるでしょう。
2.天日干し生地の魅力

天日干し生地が持つ多くの魅力に注目し、そのメリットを具体的に見ていきましょう。
自然の力が生み出す独特の風合い
日干し生地の良さは、太陽と風という自然そのものが生み出す独自の表情にあります。
部分的に乾く速度の違いがシワや色落ちを生み、見る角度によってはニュアンスが深まるのも魅力です。
機械的に均一化された質感ではないからこそ、ほかにはないユニークな風合いに仕上がります。
また、天日干しでしか味わえない独特の“香り”を感じられるのも特徴の一つです。
染色や仕上げの際に生まれる蒸気が自然空間にほどよく放出されるため、仕上がりがとてもナチュラルです。
ファッションアイテムでもインテリアでも、その一枚が持つ個性が使用時の楽しみを増やします。
ナチュラルで環境にやさしい仕上がり
天日干しを行うと、機械エネルギーをほとんど使わないため、環境への負荷を軽減しやすいというメリットがあります。
CO2排出量を抑えられることから、SDGsやエコ意識の高まりと重なり、地球にやさしい製造方法としても注目されています。
使うほどに味わいが増す生地という観点も合わせて、サステナブルなライフスタイルに相性が良いのです。
また、自然乾燥の過程で化学薬品の使用を最小限に抑えられる場合も多く、生地本来の特性を活かしやすい点も魅力です。
アレルギーや肌に敏感な方にも配慮できるケースが増え、機能面だけでなく健康面でもメリットがあります。
環境意識と健康意識の両方を満たせるのは、天日干し生地ならではと言えるでしょう。
耐久性と品質の高さ
天日干し生地は、ゆっくりと自然に乾燥することで繊維がやわらかくなりすぎず、ほどよい強度を保ちやすくなります。
繰り返し使ったり洗ったりしても生地がへたりにくく、長く愛用できるのは大きな魅力です。
特にリネンやコットンなどは、繊維の強度がアップしやすいため、耐久性が期待できます。
さらに、適度な湿度や温度の中で乾燥させることで、繊維そのものの劣化を抑えやすいという意見もあります。
実際に、職人が手作業で状態を確認しながら乾かす工程を踏むため、必要以上に負荷をかけずに仕上げられるのです。
着るほどに味わいが深まる生地こそ、天日干しがもたらす真価と言えるでしょう。
SUNNY DRYシリーズ

テキスタイルネットでは、天日干しをしたナチュラルな生地、「SUNNY DRY(サニードライ)」シリーズを取り揃えています。
発売以来、定番の一つとして、年間を通して安定した売れ筋商品です。
綿を中心に麻や化合繊との混紡素材、薄手からしっかりした厚手まで、日常着としても、アウター、スポーツウエアにと幅広い用途で人気があります。
【SUNNY DRYシリーズのコンセプト】
”【自然を着る】ということ。
自然エネルギーである太陽光や風を利用して乾燥させた生地。
天然素材特有の柔らかさを持っており、職人の手仕事によって仕上がった生地には一つ一つの表情があります。
100年の歴史を持つ柴屋株式会社は持続可能なモノづくりの実現を目指します。
人がまるで自然の中にいるような心地よさを提供いたします。”引用:柴屋㈱天日干しページ
SUNNY DRYシリーズの生地をご購入頂いたお客様に限り、ご購入が可能な下げ札もございます。
どうぞご利用ください。
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3.天日干し’風’生地との違いは?
天日干しとよく比較される“天日干し風”や“天日干し調”という仕上げ方法との違いに迫ります。
天日干し’風’、天日干し’調’とは?
“天日干し風”や“天日干し調”とは、機械加工や化学処理によって天日干しのような風合いを再現する方法を指します。
実際に太陽光や風で自然乾燥するわけではないため、生地表面のシワ感などをワッシャー加工等でつくり出しています。
そのため、工程の簡略化や大量生産が可能ですが、本物の天日干しのような独特の風合いには若干差がある場合が多いです。
ただし、天日干しに近い表情を得られやすい技術も向上しているため、一見見分けがつきにくいのも事実です。
購入時は「天日干し生地」なのか「天日干し風生地」なのかを確認し、使いたい用途やデザインに合うものを選ぶのがポイントです。
天日干し風生地のおすすめポイント
天日干し風生地は、手入れが簡単で比較的リーズナブルな価格帯で手に入りやすいのがメリットです。
本物の天日干しのように毎回丁寧に干す必要がなく、忙しい毎日でもナチュラルな雰囲気を演出できます。
デザインや色の選択肢も多彩なため、ファッションアイテムだけでなくインテリアにも取り入れやすいでしょう。
使い込むことで抜け感や独特の味わいが深まるのを楽しみたい方は、実際の天日干しが施された生地を選ぶとより満足度が高いかもしれません。
用途や好みに合わせて使い分けると、天日干し生地の魅力をさまざまな形で楽しめます。
▼素材いろいろ!天日干し風生地▼
【コットンリネン】
販売価格:¥2,589/m (税込)~
綿(コットン) 77%/リネン 23%
スラブを使用した綿麻素材を高密度ですが、仕上げ加工で程よく柔らかく仕上げた生地です。天日干し風のナチュラルな仕上げで、スラブ糸のふっくら感も活かしています。程よくナチュラルで、着込む程に馴染んでいく綿麻スラブ生地です。春や秋にお使い頂きやすいベーシックなカラーを揃えました。
販売価格:¥2,959/m (税込)~
リネン100%
異なる番手のリネン糸を不規則に浮かせて織り上げ、表面感を出した梨地の生地を京都の染工場で染め上げました。天日干し風の自然な風合いになるよう仕上げを行い、肌離れの良い織りと吸水・吸湿性の良いリネンの特性を十分に生かした盛夏シーズンに最適な素材です。
【TC/コットンポリエステル】
販売価格:¥1,312/m (税込)~
綿(コットン) 95%/ポリウレタン 5%
肩肘張らずに心地よく着られる、お気に入りの服に最適なVintage感漂う素材。
4.まとめ

天日干し生地は、自然の力と職人の手仕事が生み出すオンリーワンの風合いが最大の魅力です。
自然の力と職人の手仕事が生み出す特別な生地で、使い込むほどに味わいが深まるので、長く愛用するほど生地に愛着が湧くでしょう。
その独特の風合いやナチュラルな仕上がりは、他の生地にはない魅力があります。
一方で、天日干し風生地も手軽に楽しめる選択肢として人気です。
お手入れがしやすく、どちらを選ぶかは、コストや手間、そして自然由来の風合いをどこまで重視するかによります。
ぜひ本記事を参考にして、自然の力が生み出す美しさを、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
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