
フランネル生地は、寒い季節に最適な柔らかく保温性の高い素材として広く知られています。
その起毛感のある仕上がりは触り心地がよく、シャツやパジャマ、スーツなどの日常衣類から冬用のスカートやアウターまで多様に活用されています。
この生地は肌触りが良いだけでなく、軽量かつ耐寒性にも優れており、防寒アイテムとして特におすすめです。
そこで今回はこの魅力的なフランネル生地の特徴、フランネル生地の語源と歴史を紹介していきます。
フランネル生地の特徴
まずはフランネル生地の特徴からご紹介していきます。
柔らかい手触りと起毛素材
フランネル生地の最大の特徴は、その柔らかい手触りです。起毛加工によって生地表面に繊維が立ち上がり、滑らかで心地よい肌触りを実現しています。この特性により、シャツやブランケットなど、リラックス感が求められるアイテムに最適です。
高い保温性
フランネル生地は、起毛加工によって生地内に空気を含む構造を持ち、断熱効果を発揮します。このため、寒い季節に身体を暖かく保つ防寒アイテムとして重宝されます。冬用のシャツ、スカート、アウターなどに使用されることが多いです。
軽量で扱いやすい
フランネル生地は軽量で持ち運びや収納がしやすく、裁縫やハンドメイドにも適しています。初心者でも扱いやすい素材で、衣類からインテリアアイテムまで幅広い用途で活用されています。
▼フランネル生地▼
「ネル」の語源

フランネル生地はその柔らかな手触りと高い保温性から、多くの冬用アイテムに採用されています。
軽量で扱いやすく、冬のシャツやパジャマの素材として人気のある織物です。
ネルシャツのネルは、フランネルのネル。フランネルを略して「ネル」と呼ぶようですが、フランネルとネルとでは、素材の違いもあるようです。
また、ネル生地とは異なる特徴を持ち、それらの違いも使用状況を選ぶ上で重要な要素となります。
後ほどご紹介する、歴史や素材構成を学ぶことで、より効果的に活用できますよ。
フランネルの起源と歴史
フランネル生地の起源は、16世紀のウェールズ(現在のイギリス)にさかのぼるとされています。
フランネルは、もともと羊毛を使用して作られた柔らかく暖かい生地で、寒冷な気候に適した衣料として発展しました。
ウェールズの農民たちは、羊毛を織り上げた後に起毛加工を施し、保温性を高めた生地を作り出しました。この技術がフランネルの始まりとされています。
16世紀という早い時期に広く知られていた“Flannel”という言葉が17世紀後半にフランスで用いられ、ドイツでも”Flanel”が18世紀前半に使用されていたようです。

北アメリカではフランネル(フランネット)は森の住人”木こり”、”屈強な男性”そして”農民”に向けた織物であり大人(労働者達)の衣料というイメージが強かったとなど諸説あります。
・屈強な男性や農民の織物 ⇒ 肉体労働を特徴とする(ブルーカラー)労働者達の衣料用生地。
また、アメリカのフィラデルフィアという都市では「金曜日のフランネル」と呼ばれる格子柄フランネルの服を着用したり、スケートボーダーがフランネルを着用することも知られています。
フランネルには様々な種類と名称があります
まずは、フランネル生地の特徴をご説明します。
フランネルは、毛糸を経糸・緯糸に使用し交互に織った平織りの毛織物。毛糸を使用しているため、肌触りはふんわりとした風合いで保温性・柔軟性が魅力の寒い時期には欠かせない服地の一つです。
フラノもフランネルの一種
フラノと言う用語は一度は耳にしたことがるかと思いますがフラノはフランネルの一種。
フランネルより厚手でしっかりとした生地になります。
通常のフランネルでは紡毛糸を使用するのに対してフラノは梳毛糸を使用します。紡毛糸は、短い毛足の原毛を紡いで作られた糸。
糸そのものの柔らかさを残すように甘く撚るため、糸の太さはまちまちです。これがいわゆる毛糸と呼ばれるものです。
梳毛糸は、長い毛足の原毛を使用します。短い羊毛は取り除くという、なんとも丁寧なお仕事。
梳毛糸の糸の太さは一定で紡毛糸よりも強く撚られているので糸自体が滑らかでツルツルとした肌触りと光沢感があります。
いかにも高級って感じです。
フラノはこんなアイテムに使用されます。

コートなどのアウターやスーツ、スカート・パンツとして使わることが多い素材。
厚手なのでフェルトのような風合いでもあり、軽いが保温性に優れている秋冬におすすめ。
ツルッと滑らかな肌触りの梳毛糸を使用しているフラノ。そのため着心地も抜群です。
▼フラノ生地▼
ネルシャツのネルって?

ネルって名前。日本ではネルと呼ぶことが多いと思いますが、なぜ?日本では「紀州ネル」と通称された綿ネル(コットン・フランネル)があります。
明治初期に洋式軍制を取り入れた紀州藩は、軍装品の必要から、軍服の下着用・肌着としてフランネル(ウール使用)を真似た綿ネルの製造を始めたことが日本での始まりのようです。
(紀州は江戸時代に紀伊国(和歌山)と伊勢国の南部(三重県南部)を治めた藩)
紀州藩は織物の産地でもあり、綿ネルの製造が始まる前から、強く撚った太い綿糸で織布し、起毛加工して「紋羽」と呼ばれる木綿織物が紀州の特産として生産されていたみたいです。
この技術を活かし、また改良して「毛出し木綿」後の「綿ネル」が誕生したようです。
奥が深いですね・・
まとめると・・・
フランネル=紡毛糸を使用したウール織物
フラノ=フランネルより厚地の梳毛糸を使用した織物
ネル=フランネルの略称。また紀州ネルや和製ネルで綿を使用した織物。正しくはコットンフランネル。
という事になります。
お手入れのポイント

使用している糸が違うのでフランネルかコットンフランネルをかによってお手入れ方法が変わりますね。
ウールを使用しているフランネルやフラノは、ウール素材のニットなどと同じようにお手入れする必要があります。フラノを使用した製品に付いている洗濯表示の一例。
※ものによって表示が異なりますので、実際の洗濯表示を必ずご確認ください。

左から、
◯家庭での洗濯は禁止
◯塩素系及び酸素系の漂白剤の使用禁止
◯タンブル乾燥禁止
◯底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
条件としてあて布使用と書いてあるので注意してください。
◯石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
◯ウェットクリーニング禁止
禁止事項が多いですね。
それだけデリケートな素材と言うことですね。
ネル布製品のお手入れ
洗濯、お手入れ前には、洗濯表の確認とネル生地のデメリットを知っておくと良いですね。
ネル生地のデメリット
・生地の表面は起毛してあるので摩擦に弱く、毛玉ができやすい。手で無理やり取るとさらにひどくなるので、ハサミで切りましょう!
・洗濯にも注意!型崩れや毛玉の原因になります。他の衣類と絡まらないように洗濯ネットに入れて、ソフト洗いや手洗いモードなどで優しく洗ってください。
ネル布製品の洗濯表示タグ
コットン以外の素材を使用しているタイプもあるため一概には言えませんが、コットン100%のネル素材を使用した製品にはこんな洗濯表示がついていることがあります。
※何度も繰り返しますが、全て同じではありませんので必ずご自身の目で洗濯表示を確認してくださいね。こちらはフランネルと違い、お家での洗濯が可能みたいですね。

左から、
◯液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる。
◯塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止。
◯タンブル乾燥禁止。
◯日陰の吊り干しが良い。
脱水後は放置するとシワになってしまうのですぐに干しましょう。
◯底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
条件としてあて布使用と書いてあるので注意してください。
◯ドライクリーニング禁止
洗濯表示マークの下には、ネットを使用ください、や色落ちすることがありますなどの注意事項が書かれていることもあります。
ネル生地を使った製品

よく見かけるネルは基本的に平織り・綾織りの綿織物で両面を起毛したものと片面起毛のもがあり、様々なカテゴリーで使用されています。
ネルと言えばネルシャツですが、肌着やとして使用されることも多い生地。コットン100%のものであれば、肌に直接触れても肌ストレスなく天然繊維の良さを味わえます。
肌触りが良いのでブランケットや赤ちゃんや子供用のパジャマなども良く見かけます。
ネルシャツのようなチェック柄以外にも無地や子供向けの柄、洋服用の柄以外にもインテリア向けのデザインなど種類も豊富。
バッグやマスクなどハンドメイドでも使用しやすい厚みなので是非、チャレンジしてみてください。

さらに、フランネルは靴磨きとしても使用されています。
汚れ落とし~仕上げの鏡面磨きまでできちゃうすぐれモノらしいです。
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