【読み物】デニムの風合いを決める! ウォッシュ加工とは?

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メンズ・レディース関係なく、普段のカジュアルコーデやスタイリッシュなコーデにも幅広く活躍している万能アイテム。デニム。
今回はデニムの中でも“ウォッシュ加工”をテーマに特集していきます。


-目次-

1.ウォッシュ加工とは?
2.ウォッシュ加工の種類
-ストーンウォッシュ
-ブリーチ加工
-ケミカルウォッシュ
-バイオウォッシュ
3.デニム生地の洗い方
-デニム用の洗剤を使うべき?
-柔軟剤は使っても大丈夫?
-洗濯機での洗い方
-手洗いでの洗い方
4.まとめ


 

1.ウォッシュ加工とは?

 

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縫製されたばかりのデニム(製品)は何も加工がされていないため表面に糊剤や樹脂が付いていて固い状態になっています。
そのまま洗濯をしてしまうと、ひどく色落ちしたり縮んだりしてしまいます。
そこで販売前にウォッシャーと呼ばれる自動洗浄機に入れて、50~80度のお湯で熱処理を行います。
この工程は「水洗い加工」「ワンウォッシュ加工」といいます。
デニムに付いた糊剤や樹脂を落として生地を柔らかくすることができます。
また、後の色落ち加工のための重要な前工程となっています。

さらに、水洗い後にタンブラーで乾燥させるので、洗濯しても縮みにくくなるというメリットもあります。

 

2.ウォッシュ加工の種類

 

適度な色落ち感や淡い色のデニムはウォッシュ加工によって作り出されています。
加工業者ではデニムどのように加工しているのか紹介します。

 

ストーンウォッシュ

 

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大きなワッシャーの中にジーンズと研磨剤を入れて洗う方法です。
研磨剤には軽石、セラミック、角ゴム、ウォッシュボールなどが使われ、程よいダメージとワンウォッシュ加工に比べて強い色落ち効果があり、着古したような柔らかな風合いになります。

 

ブリーチ加工

 

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酸化剤/還元剤を使い、強制的に色を分解させて濃色から淡色に脱色する加工です。
人工的に中古感を出すことができ、酸化剤を使うときれいな青みに、還元剤を使うとくすんだ(グレイッシュな)青みになるなどの違いも。
色落ちの程度によって、フェード色、ブリーチ色、スーパーブリーチ色(限りなく白に近い色)に分けられます。
このやり方はブリーチアウトともいわれます。

 

ケミカルウォッシュ

 

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水の変わりに強力な漂白剤(次亜塩素酸ソーダ)に軽石を浸し、デニム製品と一緒に洗います。
石と生地が擦れて霜降り(まだら)のような色ムラを表面に付けることができます。
欧米ではアシッドウォッシュ、スノーウォッシュと呼ばれ、日本でも1980年代に大ヒットとなった加工です。

 

バイオウォッシュ

 

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「バイオ」とは微生物という意味で、微生物に生地の表面を食べさせる加工のことをいいます。
デニムなどの綿製品に多く用いられ、“セルラーゼ”という酵素を使って洗う加工方法です。
かなり色落ち感があり、ヴィンテージな仕上がりになります。
セルラーゼは繊維を溶かす作用があるため、繊維を細くさせて生地を柔らかくする効果も期待できます。
ストーンウォッシュよりも短時間で済み、製品の痛みが少ないのが特徴です。

 

3.デニム生地の洗い方

 

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「デニムの風合いをキープしたいから洗濯しないほうがいい」とか「色落ちするから洗わないほうがいい」という話を聞いたことはありませんか?

デニムに使用されているインディゴ染料は水を通したら色落ちするという性質があります。
ですが、デニムを履き続けていると汗や汚れがたまっていってしまいます。
デニムは綿素材でできているため油分に弱く、汚れをそのままにしていると強度が下がり劣化を早める原因になってしまいます。
長く履き続けるためには日頃のケアも非常に大切になります。
洗濯頻度は着用したらその都度洗濯しても、汚れたら洗うくらいにしてもOKです。

 

デニム用の洗剤を使うべき?

デニムを洗濯する時はどんな洗剤を使うべきか気になりますよね。
デニム用洗剤だとニューヨーク発のファブリックケアブランドが展開する「ザ・ランドレスデニムウォッシュ(THE LAUNDRESS DENIM WASH)」などが有名かと思います。
クラシック(classic)の香りが人気でシンプルデザインのボトルはインテリアとしても映えますね。
なんだか宣伝のようになってしまいましたが…笑
デニムの色落ちや風合いが損なわれないよう配慮されているのも専用洗剤の良いところです。

では普段使っている洗剤が使えないかと言うと、そうでもありません。
配合成分をしっかり確認して洗濯洗剤を使用すればデニムが酷く色落ちしてしまったということも無くなります。
デニムの洗濯には中性洗剤やおしゃれ着用洗剤がおすすめです。

洗剤の成分は以下のようなものがあります。

界面活性剤 洗剤の中に必ず入っている汚れを落とす主成分。
たくさん入っているほど洗浄力が高くなる。
PH調整剤 洗濯中にアルカリ度が上がりすぎて退色しないように、弱アルカリ性で収まるようにする働きがある。
クエン酸系が使われることが多い。
安定化剤 洗剤の中に混ざっている成分が分離しないようにする役割がある。

 

デニムの黒っぽい暗い色をできるだけ残したい場合は洗浄力が強すぎない洗剤を選び、漂白剤は使用しないのがおすすめです。
白デニムの場合は逆に白くしたいので洗浄力が強い洗剤で漂白剤も使って洗う方が効果的になります。
自分の持っているデニムの色が濃色か淡色・白かで最適な洗濯方法が変わります。

 

柔軟剤は使っても大丈夫?

好みによって柔軟剤を入れても大丈夫です。
柔軟剤も使わないという情報もあり、デニムを洗うときに柔軟剤を使っていいのか迷いますよね。
柔軟剤には香料が多く含まれているので香り付けをしたり、消臭・防臭効果があります。
さらに衣類を柔らかくして着心地を良くするための仕上げ剤としての役割があります。
柔らかい肌触りが好きな方は柔軟剤を入れることでデニムの履き心地が良くなります。

 

洗濯機での洗い方

 

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①(洗濯前の準備)型崩れを防ぐためボタンやジップは閉める。ロールアップ部分は伸ばす。
酷く汚れている部分は石鹸などで軽く落としておく。
②裏返して洗濯用ネットに入れる。(ダメージジーンズは必ずネットに入れる)
③ドライモードや手洗いモードで洗濯する。
④しわを伸ばして陰干しする。

洗濯のコースや液体洗剤の容量・使用方法などを守れば洗濯機で気軽に洗濯をすることができます。
洗濯する前に軽くホコリや汚れを落としておくと洗い上がりもキレイになります。

他の洗濯物とまとめて洗いたくなりますが、デニムだけで洗うのが理想です。
特に初めて洗濯するときは色移りするので単体で洗濯することをおすすめします。
私はそんな事も知らずに適当に洗濯してしまった結果、白いシャツに青い模様が付いてしまいました…お気をつけて!

乾かす時は乾燥機を使うのは縮んでしまうのでNGです。
直射日光に長時間当ててしまうことも退色の原因にもなります。

 

手洗いでの洗い方

 

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①(洗濯前の準備)ボタンやジップは閉める。ロールアップ部分は伸ばす。
酷く汚れている部分は石鹸などで軽く落としておく。
②たらいや桶などに水を張り洗剤を溶かす
③デニムを裏返してから入れる
④10~15分ほど浸け置きする。汚れが酷い場合はゴシゴシ洗わずに押し洗いする。
⑤デニムから泡が出なくなるまですすぐ。
⑥軽く搾って干す。洗濯機の脱水を使う場合は1分程度にする。

洗濯機に比べて色落ちや縮みが少ないのが手洗いのメリットです。
洗剤の量はだいたい5Lの水に10cc程度にします。(水の量に対して0.2%というのが目安です。)
縮む原因になるのでお湯は使わないようにしましょう。
また、水に長時間浸けすぎてしまうとインディゴ染料が流れてしまうので注意が必要です。
脱水に洗濯機を使用する場合は、適当に入れてしまうとシワになってしまうので沿わせるように洗濯槽に入れると軽減されます。

 

4.まとめ

 

様々なウォッシュ加工を紹介しましたが、お気に入りの加工はありましたか?
また、“ジーンズを育てる”という言葉があるように厳選したジーンズを自分好みのシワ感や色んな環境に当てられることによる脱色感を楽しめるアイテムでもあります。
洗濯に注意が必要なデニムですが、正しいケアをして長く使っていきたいですね。

 

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