くしゅくしゅした風合いの涼しげな生地、塩縮加工の生地をご存知ですか？
塩縮加工とは、部分的に生地を縮ませ、凸凹やシボをつける加工です。
ポコポコと緩い起伏があり、肌にまとわりつかず、涼しい着心地になります。
リップル加工も塩縮加工も工程は同じで、区別があいまいになっています。
2025年の春夏は、この塩縮加工された爽やかな着心地のアイテムが注目されています。
今回は、春夏に涼しい着心地を楽しむ生地、塩縮加工やリップル加工の特徴や違いについて紹介します。
1.塩縮加工とは？リップル加工との違いは？
塩縮加工とは、生地を水酸化ナトリウム（＝苛性ソーダ）につけて部分的に縮ませる加工方法です。
「塩縮」というからには、塩と関係あるの？塩を使うの？と疑問をもった方もいるかもしれません。
もともとは絹織物に硝酸カルシウムや、塩化カルシウムなどの濃厚溶液を部分的に処理し、縮れた縞模様を作り出していました。
生地を塩漬けにするということではないのですね^^;
リップル加工は、綿や麻等のセルロース系の生地に水酸化ナトリウム（＝苛性ソーダ）につけて部分的に縮ませる加工方法で、
塩縮加工とは区別していましたが、同じ溶剤と工法を経ています。
そのため、綿の生地全面にシボを入れたり、凹凸を入れる加工をリップル、
水玉模様などの生地の部分的なシボや凹凸をいれる加工を塩縮、と区別して呼ぶことが多いようです。
2.塩縮加工の生地に最適なアイテム
塩縮加工された生地は、ポコポコとした水玉や、シワを寄せたようなデザイン性の高さなどから表情豊かな着こなしが可能となります。
シワ感がこなれたシャツや、スカートやカットソーなどにいかがでしょうか。
シワの粗さ、細かさでナチュラルな演出やハードで個性的な演出も可能となります。
さざ波のような細かなシワのついたワンピースも良いですし、岩のようなゴツゴツとしたシワ感で個性的なジャケットにするのもおすすめです。
▼塩縮加工の生地でおすすめ▼
3.リップル加工の生地に最適なアイテム
リップルとは、英語で「ripple」と書き、「さざ波」という意味です。
さざ波のような細かなシワ感や凹凸が涼しさと軽やかさを表現します。
綿ローンのリップル加工のシャツやブラウス、ワンピースは、2025年春夏の人気アイテムとなります。
▼リップル加工の生地でおすすめ▼
4.ローンはナチュラルな風合いが魅力
ローンは、綿で作られた上質で薄手の平織りの生地。
適度なハリがあり、薄くて軽やかなので春夏のトップスなどにぴったりです。
透け感と吸湿性がありつつ、すぐに乾きます。
その上、汗をかいても肌への張り付きもなくサラッとした着心地が魅力です。
綿の糸で作られるのが主流ですが、リネンや化学繊維を使用したローン生地もあり、
今回ご紹介する塩縮加工もそうですが、さらにワッシャー加工などを施し涼し気な演出が可能となっています。
▼ローン生地でおすすめ▼
5.ミラクルウェーブ
ミラクルウェーブ加工とは、生地に耐久性のある波のような凹凸とシワをつける加工です。
静岡県浜松市で生まれた加工法で、一般的な塩縮/リップル加工の生地に比べ、非常に柔らかく軽い風合いが特徴です。
繊維そのものに雛形状を固定することで、肌の接地面が少なく、春夏の素材として人気があります。
また、洗濯をしても風合いや素材感が変わらないイージーケアも嬉しい、イチオシの素材です。
「ミラクルウェーブ」は、日本形染㈱の加工法の名称です。
▼春夏おすすめミラクルウェーブ▼
6.塩縮/リップル生地のお手入れ方法
塩縮/リップル加工の生地のお手入れは、いたって簡単です。
水分を含むと、縮んでシワになっていた生地が伸び、乾く際に元に戻ろうとする特性があります。
洗濯の際は、洗いっぱなしでもシワ感がなくなることはありませんが、ハンガー干しにした場合、布の重みでシワが元に戻りにくく、
ふわっとした風合いになることがあります。
ドライクリーニングの場合は水を使わないため、購入時のシワが保たれます。
しかし、ドライクリーニング不可の生地もあるため、お持ちのアイテムの洗濯表示に従いお手入れをしていただくことをおすすめします。
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