フェイクファーとは人工的に毛皮（獣毛）に似せて作った起毛素材のことです。
素材はアクリルやポリエステルを使うことが多く、技術の進歩で本物と同じ質感を出すことも可能です。
近年ファッション業界では毛皮を使わずフェイクファー（エコファー）を
使用するブランドも増えてきているなど需要が拡大しています。
-もくじ-
1.フェイクファーとは
フェイクファーとは毛皮を人工的に作った起毛生地のことです。
その構造はタオル地やベロア素材などと似ています。
基布の組織はパイル織りやパイル編みになっており、ループパイルをカットし起毛することによって毛皮の毛並みのように加工します。
リアルファーの二重構造（刺し毛と綿毛）を表現するために、カットしたパイルを長短に分けます。
近年では動物保護の観点からフェイクファーを使うことがファッション業界のトレンドとなっています。
ファッションで使われるときは「エコファー」と呼ばれることがあります。
これは、動物の毛皮を使わないことが環境に優しい＝エコであるということからきています。
フェイクファーと同じ意味で使われていますが。フェイクが『偽物』を連想させるため、
ファッション業界では「エコファー」を使うことが多いそうです。
フェイクファーの原料
かつては木綿や絹、羊毛などが使われていましたが、最近では主にアクリル繊維やポリエステル繊維が使われています。
本物の獣毛のような外観・質感を出すため、断面が異型（花形や三角形などの特殊な形のもの）の
アクリル短繊維を使っており、エコファーの高級品の領域では日本が高い技術力を持っています。
フェイクファーの良いところ
フェイクファーは環境に優しいだけではなく、様々なメリットがあります。
○品質が均一
リアルファーは部位によって毛の長さや色にバラつきが出てしまいますが、フェイクファーは大きなサイズでも均一な品質にすることが可能です。
また、技術の発達により見た目、手触りが本物に近いorそれ以上の高品質なものを生産することが可能となっています。
ストレッチ性のあるものなど機能的な生地も誕生しています。
○デザイン、カラーバリエーションが豊富
優れた発色性で様々な色に染めることができ、プリントも施せるので、本物の毛皮では不可能な表現ができるようになりました。
逆に本物に近い柄や色を使用して、リアルファーに似せることもできます。
○価格が安い
大量生産が可能なので、リアルファーに比べて手に入りやすい値段なのも魅力の一つです。
気軽にファッションやインテリア、ハンドメイドの素材に使うことができます。
○耐久性がある
リアルファーに比べ、刺し毛の弾力性と耐水性が優れています。
簡単なお手入れでＯＫ。
メリットいっぱいのフェイクファーですが、熱で縮んでしまうという弱点もあります。
ストーブの熱やアイロンなどには十分注意してください。
ファーを検索するとよく出てくる言葉
◆ファーとボアの違い
似たような起毛素材ですが以下のような違いがあります。
・毛がストレートになっているのがファー
・毛がカールしているのがボア
ボア生地はモコモコしていて厚手でボリュームがあるのが特徴です。
シープボア、プードルボアなどの種類があります。
◆アニマル柄
動物の表皮の柄を表現したものです。
ヒョウ柄、レオパード、ジラフなどがあります。
◆モヘア
モヘアとはアンゴラ山羊から採取した毛のことです。
絹のようなつややかな光沢と柔らかな手触りが特徴。
スーツやニット製品に使われます。
モヘア生地は表面が起毛しているのでなんとなくファーに見えます。
◆レザー（革）と毛皮の違い
なめし加工をする前に表面の毛を抜いたものがレザー、抜かずになめし加工したものが毛皮という違いがあります。
2.ファーの種類
フェイクファーには長毛のもの、短毛のものといった種類があります。
以下はリアルファーの解説になりますが、フェイクファーもこういった本物の毛皮のような特徴を出すことができます。
フォックス
長毛で高級感があり、刺し毛が少しとがっているのが特徴です。
色によって種類が分かれます。
シルバーフォックス
銀狐の毛皮で、銀色と黒色でできています。刺し毛が長くハリがあります。
ブルーフォックス
刺し毛が長く、シルキーな質感が特徴。
全体的にグレー系の淡い色なので染色が簡単。
レッドフォックス
赤狐の毛皮。高密度、刺し毛・綿毛ともに長く手触りがすべすべしています。
シャドーフォックス
ブルーフォックスよりもグレー色が淡く毛質も柔らか。
刺し毛も綿毛もほとんど白色のものがあり、淡い色に染色するときに使われる。
ラビット
毛足が長く、ふわふわで柔らかい手触り。
種類によっては短毛のものもあります。
レッキスラビット
光沢があり、刺し毛と綿毛の長さが同じ。
肌触りが柔らかくふわふわしています。
アンゴラ
繊維が長く柔らか。
羊と同じように毛を刈り取って採取されます。
チンチララビット
極細の綿毛で肌触りがとてもなめらか。
ラビットファーはファッション以外の物にも使われており、バービー人形などの服や百均などで販売されている
猫用のネズミのおもちゃ、ぬいぐるみなどにも幅広く使われています。
ミンク
ミンクはカワウソの仲間です。
刺し毛は強くしなやかで光沢があり、綿毛も密度が高くシルキーな手触りです。
ムートン
ムートンとは羊の毛皮のことです。
他の毛皮とは異なり、綿毛のみが密集しているため肌触りがとてもなめらか。
3.フェイクファーを使ったアイテム
フェイクファーは特に冬用の洋服や小物、インテリアファブリックに多く使われています。
毎年たくさんのメーカーからさまざまな商品が登場しています。
・コート、ジャケット
全体にファーを使ったものや、襟や袖の一部に使うデザインのものまで幅広くあります。
・バッグ
バッグ全体にファーをあしらったもの、デザインの一部として使われているものなどさまざま。
・マフラー、スヌード
・手袋、帽子
フェイクファーはおしゃれなだけでなく防寒性にも優れています。
マフラーやスヌードは手作りもできます。
・インソール
冬用の靴やブーツの内側の装飾やインソールとして使われます。
靴のデザインとして表側にそのまま使われることもあります。
・仮装、コスプレ衣装
衣裳の装飾や動物の着ぐるみなどに最適です。
ふわふわのスカートやパンツなども手作りできます。
・アクセサリー
ピアス、イヤリングやヘアアクセサリーなどにも使われます。
・ブランケット、ラグなどのインテリアファブリック
フェイクファーは冬のインテリアとしても大活躍。
よく見るホワイトやピンクのロングファーのラグは見た目も可愛く、寒い冬も暖かく過ごせそうです。
ハンドメイドの素材としても人気です
フェイクファーは通販サイトや手芸用品の店舗で手に入りやすく様々な使い方ができるのでハンドメイドの素材としても人気です。
裁断の仕方、縫い方に多少コツは要りますが、ポンポンやリボンなどの小さいものならチャレンジしやすいと思います。
端切れで簡単に作れるファーポンポンの作り方をご紹介します。
【用意するもの】
・フェイクファー生地（はぎれなどでＯＫ）
・綿
【作り方】
①作りたいポンポンの大きさに合わせて生地を円形にカットします。
毛を切らないように土台の布のみをカットしていきます。
②端から5mmくらいの位置でぐるっとなみ縫いします。
③糸を引っ張り丸い形を作ったら綿を詰めます。
④口を糸でしっかりと縫ってとめます。
好きな大きさに調整可能です。
おすすめのファー素材
商品品番：CN_43834
商品名：43834 ウェイビーレッキスファー
パイル アクリル100％
ベース アクリル60％ ポリエステル40％
【商品説明】
ほどよい光沢感、なめらかな手触りの厚手獣毛調素材。
国産ならではの毛抜けしにくいタテ編組織です。
使いやすい無地。
商品品番：CN_49665
商品名：49665 フェザリーファープリント
パイル アクリル系（モダアクリル）100％
ベース アクリル55％ ポリエステル45％
【商品説明】
ほどよい光沢感があり、なめらかな手ざわりの厚手獣毛素材です。
国産ならではの毛抜けしにくいタテ編組織です。
やさしいアニマル柄。
商品品番：SI_SIC-9100-
商品名：SIC-9100- フェイクファーパイピング
エッジ ポリエステル100％
パイピング ポリエステル70％ ナイロン30％
【商品説明】
フェイクファーの製紐パイピングテープ。
フワフワした毛並みはソフトで暖かみがあります。
商品品番：SI_SIC-3604-
商品名：SIC-3604- フェイクファーコード
ナイロン30％ ポリエステル70％
【商品説明】
フワフワと柔らかい風合いのフェイクファーコードです。
●カットオーダー（切り売り）は1m単位で最大10mまでとなりますので購入の際はご注意下さい。
（注文数量で1m、2m…と選択できます。最低単位は1mです。）
※カットオーダー/Piece オーダーのみのご注文は、販売企業が定める小口送料が発生します。
●サンプル帳（見本帳）ご用意しております。オーダータイプでサンプル帳を選択の上ご注文ください。
●販売価格はバリエーションごとに異なる場合があります。各バリエーションのページでご確認いただけます。
