生地の中で一番有名な素材、綿(めん)。
英語ではCOTTON(コットン)ですね。
製品に付いている品質表示には、「綿」と書かれていることもあったり「コットン」と書かれていたりしますが、特に違いはありません。
綿=コットンです。
私たちの身近にある素材、「綿」を特集します。
目次
- コットンはどんな素材?
1.コットンはどうやって作られる?
2.コットンの特徴
3.コットン(綿)素材の生地にはどんな種類がある?
4.今、人気のコットンアイテム
5.洗濯・取り扱い方法
1.コットンはどんな素材?
前回の特集「天然繊維」に書いた通り、コットン、綿は植物系の天然繊維です。
綿(めん)の元となる植物は綿(ワタ)と言うインドが原産のアオイ科の植物です。
2.コットンはどうやって作られる?
アオイ科の植物「ワタ」は、一年草として育てられていますが元々は、多年草です。
一年草は、種子をまき、1年以内に発芽、開花、結実、枯れる植物です。
そして、残った種から新たな株が育ちます。
多年草は、同じ株で枯れずにずっと花を咲かせます。
原産国、インドでは多年草として生きていたワタは日本にやってきて気候の違いにより、一年草になってしまったようです。
ワタは熱帯の地を好むため、日本の冬を越すことが難しかったのでしょう。
<綿花の成長>
ワタは発芽し、成長すると黄色い花を咲かせ受粉します。
(この花はたった一日しか咲かないそうです。儚いですね。)
受粉し実になり、乾燥し弾けると、あのフワフワとした綿が現れます。
<真綿は綿ではない?>
真綿は「綿」と言う字が付いていますが、蚕の繭から作られる繊維。
つまりシルクです。
天然繊維特集で書いたようにシルクは植物繊維ではなく動物繊維。
コットンとは別物です。
<オーガニックコットンとコットンの違い>
オーガニックコットンも今までのコットンも原料は同じです。
違うのは、綿花が育つ環境や綿繊維が出来る生産背景。
オーガニックコットンは、環境や生物に配慮し、農薬や化学物質を2~3年以上全く使用せずに有機栽培されたコットン。
農薬をしようして栽培されたコットンも綿花には農薬はほとんど残らないため、オーガニックコットンと変わりわありません。
しかし、オーガニックコットンを使用することは、コットンの生産に携わる人びとの暮らしや、
綿花を育てる大地などの環境を守ることに繋がることを忘れないでください。
持続可能な未来のために素材を選ぶことも大切な活動です。
3.コットンの特徴と性質
自然の中で育った綿(ワタ)を原料に作られた綿100%のnaturalcottonは、
化学繊維や合成繊維とは違い、肌への負担が少なく、お肌の弱い子供や敏感肌の方に最適な素材です。
<メリット>
綿繊維の中は空洞になっているため、吸水性・吸湿性に優れています。
吸水性が良い為、染料の染み込みが良く、染色性・発色性にも優れています。
また、水分を含むため、静電気が起きにくい素材です。
この空洞は柔らかな風合いと肌触り、保温性にも役立っています。
更に、吸収した水分を発散・放出させることも得意としており、暑い夏でも快適に過ごせる素材です。
自然から生まれた綿素材はナチュラルな雰囲気がたっぷりで麻素材と並んでとても人気があります。
残念な点は、シワになりやすいところ。
アイロン掛けの手間があります。
4.綿素材の生地にはどんな種類がある?
綿素材を使用した代表的な生地・布には
・ガーゼ生地
・ローン
・シーチング
・ブロード
・ワッフル素材
・オックス
・キャンバス生地
・デニム
などがあります。
糸の太さや織り方により肉厚感が異なり、用途も様々です。
ローンやシーチングは薄手で、夏モノの衣類に向いています。
細番手の糸を使用したローン素材は、上品な透け感とサラッとした肌触りが魅力です。
様々なデザインの柄やカラーバリエーションも豊富に揃っています。
キャンバス生地やデニム素材は太番手の糸を使用ししっかりと織られおり丈夫です。
キャンバス生地は平織り、デニム生地は綾織りなので風合いや柔らかさも異なります。
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5.今、人気のコットンアイテム
コットン素材を使用したアイテムは沢山あります。
特に洋服などの衣類に使用されていることが多い素材です。
天然繊維なのでインナー、肌着、下着、腹巻、レギンス、レッグウォーマーなどの肌に直接触れるアイテムにおすすめです。
代表的なものは、メンズワイシャツ、ワンピース、フレアスカート、パンツなどがあります。
綿の軽やかさはフレアスカートととても相性が良いです。
コットンニットを使用したものでは、Tシャツやセーター、ルームウェアなど、肌触りの良さに加え伸縮性があり、過ごしやすい素材です。
小物では、ダブルガーゼそ使用したマスクやコットンマフラー(ストール)、ハンカチなどに、
ランチョンマットや布団、毛布などの家庭用品としても大活躍です。
6.洗濯・取り扱い方法
コットンは、先程も出てきたようにシワになりやすい素材です。
洗濯後は、放置せずすぐに干すようにしてください。
濃色のものは、色落ちすることもありますのでご注意ください。
コットン100%のものとナイロンやポリエステルなどの他繊維も使用して織られたものとでは、取り扱い方法が異なります。
品質表示、洗濯表記の確認はお忘れなく。