【旬の素材】すごいぞポリエステル 国内生産量・消費量ナンバー1

polyester

ポリエステルは、繊維・フィルム・容器など広く使用され、経済性に優れた樹脂。
飲料容器としてペットボトルが広く利用されています。

 

ポリエステルってどんな繊維素材?

 

polyester

 

現在生産される衣料用繊維(天然繊維を含む)のなんと半数近くがポリエステル!!
洋服や雑貨に付いている品質表示やタグを見るとポリエステルっと書かれているもの多いですよね。

 

なんでこんなにポリエステル繊維が使われているの?

 

ポリエステル繊維は三大合成繊維の一つ。
三大合成繊維とは、ポリエステル、ナイロン、アクリル。

アクリルは、ウール(毛)に似ているためセーターなどのニット製品に良く使用されます。

ナイロンは、軽くて丈夫なのでスポーツウェアや登山用のリュック、防寒着などのアウトドア用品に多く使用されています。
でも、熱に弱かったり紫外線で変色したりとデメリットも。

 

ポリエステルの用途は多岐にわたります。

 

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種類が豊富!!
ワイシャツやスーツ、コートなどの洋服・和服・浴衣などアパレル用に特に多く使用されていますが、
発汗性・速乾性が良い素材なのでナイロン同様にスポーツウェアや登山ウェアの他、
カーテンやテーブルクロス、ラグなどのインテリアやロープなどの産業資材など様々なシーンで重宝されています。
普段使いにちょうど良い、私たちの生活になくてはならない存在。
ナイロンとの違いは耐熱性があり、強度に優れているところ。
三大合成繊維の王者と言っても過言じゃないんじゃない?とても便利な素材です。

さらに、まだあります。

ポリエステルの大きな特徴は、染色性や蒸散性にも優れているので、
原料を溶融してから長繊維の糸を紡出してつくる際に糸の形状に変化を与えたりできること。
だから、吸水速乾性の高い断面の糸や抗菌素材を練りこんだり、短繊維だけではなく、
さまざまな特性を持った繊維をつくることが可能なんです。

 

ポリエステル生地・糸は何から出来てるの?

 

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ポリエステルは石油や石炭、天然ガスを原料として人工的に作られています。
ポリエステル、実は高分子化学物の総称。
マニアックですが「ポリエチレンテレフタレート繊維(ポリエステル繊維)」と呼ばれる化学繊維なんですね。

ポリエステル繊維の元々の原料、ポリエチレンテレフタレート自体は、
絵具や文具、人工皮革や合成皮革、ペットボトルの原料でも知られてます。
他は、ぬいぐるみなどの玩具や、布団の中わたなど。
実は幅広く活用されている素材なんです。

 

衣料品は紡績した「ポリエステル繊維」が使用されています。

 

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このポリエステル繊維は染色性にも優れており、他素材と組み合わせたり
紡績方法を工夫する事で天然繊維ような風合いを作り出すことができるのも魅力の一つ。

また原価が非常に安価であることも多く、機能性や風合いが優れた商品を低コストで作ることができます。
ポリエステル100%使用したサテン素材。
光沢感、肌触りともにまるでシルクのよう。
劣る点は、生地のぬめり感と肌への負担。
やはり本物のシルクにはメリットも豊富ですが、お手頃な価格で使用可能なのは嬉しいですよね。
また、ポリエステルのメリットはシワになりにくく、乾きやすいのも◎。
サテン生地は、衣装に使用されることが多くシルクに似た雰囲気は舞台映え間違いなし。
これもポリエステル繊維の魅力の一つと言えるかもしれません。

そんな多種多様な製品に使用されているこの優秀なポリエステル素材は、
日本での生産量・消費量共にナンバーワンの繊維と言われています。

世界で初めてポリエステルが生産されたのは1949年。
イギリスで「テリレン」、少し遅れてアメリカで「ダクロン」と言う名称でそれぞれ工業化されたのが始まりでした。
日本では1958年に、上記の2つの商標名をかけ合わせた「テトロン」という商法名で生産されたのが始まりであると言われています。

なんか聞いたことありますねぇ・・・あっ、ミシン糸だ。ミシン糸に書いてる。

 

次にポリエステルにはどんなメリット・デメリットがあるか、チェックしてみましょう。

ポリエステルのメリットは?

 

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この素材の長所は・・・

 

①耐久性、強度が高い

ポリエステルは強度がとても高く丈夫で、洗濯しても劣化しにくい繊維。

伸縮性が高く、形状安定性に優れているため、しわになりにくく、型崩れを起こしにくいといった点が特徴的です。
ナイロンなど他の合成繊維と比べても耐熱性が高いため、アイロンがけによるセットも可能でお手入れがしやすい繊維であると言われています。
濡れた時でも強度は変わらず耐衝撃性にも優れているため破けにくいなど、ポリエステルの強度は他の繊維と比べても一線を画すものです。

 

②吸湿性が低くて、速乾性が高い

 

ポリエステルは速乾性が高い素材で、そのためスポーツウェアなどの使用がとても多いです。
ポリエステルは繊維中に水分が入り込まないのでその水分率がほとんどゼロ。
水や汗が生地に触れたときに素早く拡散して蒸発させるという特徴があります。乾燥機いらず。

 

すなわち「速乾性」は「吸湿性の低さ」の裏返し。
要するに湿気を吸い込みにくい繊維なので、結果として速乾性が高いというメリットにつながるというわけです。
汗をかいてもすぐ乾いてくれるポリエステルを使用したアイテムなら、サラサラとした肌触りが心地よく、着用時のストレスを大幅に軽減してくれます。

 

③保存・保管に優れている

 

衣替え時期にしまっておいた衣服にカビが生えてしまっていたり、虫が喰ってしまった経験はありませんか?
ポリエステルには、虫やカビに強く被害を受けにくいというメリットもあります。
また日光による強度の低下や黄変もしにくい繊維のため、保存に強い繊維と言えますね。

 

④紫外線、UVカット性が高い

 

ポリエステル繊維には可視光線(かしこうせん)の透過をおさえてくれる性質があります。
簡単に言い換えれば、光を透過しづらく、紫外線を防ぐ能力が高い素材。
このUVカット機能があるため、屋外などを中心としたスポーツ、アウトドア向けでも良く使われたりします。

 

⑤色落ちしにくい

 

ポリエステル繊維は綿繊維と比較すると高温の環境、温度にすると約130度以上で染色されます。
染色では「染色できる温度=脱色できる温度」とも言われることもあるように、
染色したポリエステル繊維を脱色しようとするとかなりの高温な環境が求められてしまいます。

通常の洗濯で色あせしにくい理由は、染める時の背景があるからです。

また、繊維が毛羽となって抜け落ちてしまうと同時に染料がなくなってしまうこともありません。

 

ポリエステルのデメリットは?注意点

 

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短所を知って取り扱いに注意して使用したいですね。

 

①吸汗性・吸水性に劣る

 

デメリット②でも書いたようにポリエステルは繊維中に水分が入り込まない。
つまり、水分を吸いこまない。逆にコットン素材は水分を吸い込みやすい。
暑い夏の寝苦しい夜なんかは、ポリエステル素材のものは避けたいです。
また、スポーツ用のtシャツも汗を吸い取らないのでやめたほうが良さそう。

 

②毛玉ができやすい

 

摩擦により毛玉ができやすい素材です。
セーターなんかのウール製品も毛玉はできるのですができた毛玉が自然に取れているんです。
(カシミヤセーターは、毛玉ができないなんて言いますが、出来ているけど落ちやすいんです。)
この出来た毛玉がポリエステルの場合、繊維が強く切れにくいため取れてくれない。

 

③静電気がおきやすい

ポリエステル素材を着ているとパチパチと静電気が発生しやすくなります。
湿気のあるところでは静電気はおきませんよね?
ポリエステルが静電気を起こしやすい理由も水分を吸い込まないから?
この静電気、素材同士の組み合わせで解消できるみたい。
冬場のスカートやワンピースのまとわりつきから開放されたいですね。それは、また別の特集で。。。

 

④汚れを吸い取りやすい

 

ポリエステルは自分自身の汚れだけでなく周りの汚れも吸い取ってしまう性質があります。
汚れが付着しものと一緒に浸け置きしたら大変。

 

大切なこと SDGs持続可能な素材

 

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最近では、海洋プラスチック排出問題なんかでも取り上げられることも多い素材でも有りますが、
加工しやすい特徴を活かした、持続可能な素材としての開発が進められています。

 

再生PET

 

ペットボトルを回収、またポリエステル繊維やフィルム製品の工程上のロス。
これらを再利用して繊維化にして製品にされています。

ecopet(帝人フロンティア)、REPREVE(UNIFI社)などが開発販売。

フリースやエコバッグでも店頭で見かけたりしますよね。
その他、自動車の資材や不織布の原料にも使用されています。

 

生分解性ポリエステル

 

使用された後、土壌や海洋上に排出、放置されていてもそれらの素材が分解されて、
生態系などに問題無い物質として、今後の開発、汎用性にも期待されています。

 

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