
ふとお気に入りの服を手に取ったとき、「なんだかこの生地、他の服とは違う気がする…」と感じたことはありませんか?
肌に触れた瞬間の柔らかさや、どこか懐かしい風合い。実はそれ、特別な染色技法で作られた生地かもしれません。
今回ご紹介するのは、そんな特別な染色技法「東炊き(あずまだき)」をはじめとする「織姫炊き(おりひめだき)」「琴平炊き(ことひらだき)」という、江戸時代の伝統を現代に蘇らせた染色方法です。
これらの技法で作られた生地は、手間と時間を惜しまず、熟練の職人たちが一つひとつ丁寧に仕上げています。その結果、他にはない独特の風合いと着心地の良さが生まれるのです。
では、そんな「東炊き」たちの魅力と秘密に迫ってみましょう!
目次
1.江戸時代の染色技法を現代に蘇らせた「東炊き」とは?

「東炊き」という言葉を耳にしたことはありますか?初めて聞く方も多いかもしれませんが、実はこれ、江戸時代の染色技法を現代に復元した特別な染め方なんです。東京の“東(あずま)”と“炊き込み”を組み合わせた造語で、東京・向島の工場がその技術を受け継ぎ、現代のファッションに新たな価値をもたらしています。
この技法では、小さな鉄釜を使って生地をじっくりと染め上げます。釜の中で生地同士がぶつかり合い、揉まれることで、芯が抜けたような柔らかさと、くったりとした落ち感が生まれるのが特徴です。さらに、自然素材を使った染料で染めることで、奥行きのある色合いが生まれます。
スカイツリーのお膝元、東京下町。製品染からスタートした染工場。
一般的に染まりにくいと言われるコットンやリネンといった天然繊維の染めが得意。 小さな釜の中で生地がぶつかり合い、ふんわり凹凸を感じる生地が仕上がります。
東炊き生地(綿)
東炊き生地(リネン)
2.「東炊き」だけじゃない!「織姫炊き」と「琴平炊き」の魅力

「東炊き」と同じく、江戸時代の伝統を受け継いだ染色技法には「織姫炊き」と「琴平炊き」もあります。
それぞれの地域の特色を活かした染色方法で、独自の風合いを生み出しています。
栃木県足利市の織姫神社の地で行われる「織姫炊き」。もともと絹糸の染色からスタートしたこの技法は、縮みやすく繊細な生地を染めるのが得意です。江戸時代から続く絹染の伝統が息づいており、上品で繊細な仕上がりが特徴です。
香川県の旧琴平町で行われる「琴平炊き」は、瀬戸内の穏やかな海と日本一小さな山「御山」に囲まれた自然豊かな土地で生まれました。もともとニット糸の染色から始まったこの技法は、しっかりとしたボトム地の染色が得意。丈夫でありながら、柔らかさも兼ね備えた生地が特徴です。
4.職人の手仕事が生む、唯一無二の風合い

これらの染色技法の最大の魅力は、職人の手仕事による独特の風合いです。通常の染色では機械に任せる部分も多いですが、「東炊き」や「織姫炊き」「琴平炊き」では、職人がつきっきりで作業を行います。
例えば、染める際の温度や湿度、染料の配合、染める時間などは、その日の気候や生地の状態によって微調整が必要です。職人が何度も生地をチェックしながら、最適な仕上がりを目指して作業を進めます。そのため、同じ技法で染めても、工場や職人によって仕上がりが異なるのです。
また、染色後の生地は幅が縮むこともありますが、それは生地がしっかりと揉まれた証拠。洗濯しても縮んだり伸びたりしにくい、安定した品質が保たれます。
3.まとめ:手間と時間をかけた生地がもたらす特別な着心地
「東炊き」「織姫炊き」「琴平炊き」。これらの染色技法には、職人たちの熱意と挑戦が込められています。
手間と時間を惜しまず、妥協なく作り上げられる生地は、着る人に特別な心地よさを届けます。
また、リサイクルウールやオーガニックコットンといったサステイナブルな素材を取り入れ、環境への配慮も忘れません。
大量生産では得られない、手仕事ならではの温もりと個性。そんな「東炊き」の魅力を、ぜひ一度体感してみてください。きっと、肌で感じる心地よさに驚くはずです。
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