連日の猛暑、夏真っ盛りの日々ですね。
最近多いのが、スコールのような突然降ってくる雨。
そんな雨の日にも、撥水のサラッと羽織れる洋服があると便利ですよね。
今回は、撥水と防水の違いや、どんな製品・商品に使われているかなどを解説しつつ、撥水加工の施された布地をご紹介します。
◇目次◇
1.撥水生地とは
撥水とは、読んで字のごとく、水を撥く(はじく)こと。
撥水加工は、生地の表面にフッ素やシリコンなどでコーティングしており、それらの加工が施された生地が撥水生地です。
ちなみに、シリコン系の加工よりも、フッ素加工剤を使用した生地の方が撥水性・耐久性が勝るようです。
<撥水生地の特徴>
●水を撥く
撥水生地に水をかけると、水滴がコロコロと転がり落ちます。
●通気性が良い
生地表面はコーティングされますが、繊維と繊維の空間を塞がないため、通気性が良く蒸れにくい素材です。
●軽量
コーティングしても重さを感じないため、帆布やデニムなどの少し重めの素材に加工しても違和感なく着用できます。
もちろん、ポリエステル生地、ナイロン生地などの化学繊維や薄手のコットン素材など、様々な種類の生地を加工することが可能です。
<撥水生地の使い道・利用方法>
撥水生地は、通気性の良さなどその特徴から、一般的な生地とほとんど変わらない形で使用することができます。
そのため、特別なミシンも必要なく一般的なミシンで縫え(生地の厚さによって異なりますが)、ハンドメイドでも気軽に使用することができます。
撥水加工が施されているので、水を使用するシーンで活躍します。
レインコートなどのレインウェア、雨具はもちろん、エプロン、買い物用のエコバッグ、
アウトドアのアウターなどおしゃれな色柄も多いため、いろんな場面で活躍します。
加工前の生地(素材)本来の通気性は失われない為、マスクとして使用されることもあるようです。
2.防水生地との違いは?
防水加工は、水を防ぐ加工。
防水加工は、水を撥くよりも強力な機能です。
撥水加工と違い、生地表面に加工されたものもありますが、
使用する素材自体が、合成ゴムや塩化ビニールでできているものもあります。
防水生地は、生地の隙間を作らないようコーティングされるため、生地の裏側にも水を通しません。
隙間がないので空気も通さないため、蒸れやすいという欠点があります。
また、防水加工を施した生地は、生地も厚く、重くなります。
特に合成ゴムを使用したものは、針も指しづらく、家庭用ミシンでは縫いづらいと言う点もあります。
<ラミネート生地>
ラミネート生地も防水の一種です。
生地表面に接着剤によりフィルムを貼り付けたものです。
水滴だけでなくソースやケチャップなどの汚れもサッと拭き取ることが出来るので
テーブルクロスや、子ども用のスタイで使用されていることが多いですね。
綿や麻素材にポリ塩化ビニルを貼り付けたラミネート生地は、手芸店などでも販売されており、
家庭用ミシンでも縫うことが可能です。
■ラミネート加工の生地
ラミネート生地を見る
3.撥水加工された衣類のお手入れ方法・ポイント!
汚れがひどい部分は手洗いすることをおすすめしますが、洗濯機での洗濯が可能です。
が、洗濯を繰り返したり、摩擦により生地表面の撥水加工が落ちてきてしまいます。
撥水加工は永久的なものではないので注意してください。
使用する洗剤は、普段使用する中性洗剤で問題ありませんが、
柔軟剤の使用や漂白剤、蛍光増白剤、柔軟成分などが含まれたものは、撥水効果を低下させる原因にもなるので注意が必要です。
また、アイロンの使用も問題ありません。
撥水加工は熱により撥水効果が復活することもあるそうなのでアイロンの使用だけでなく乾燥機の使用も効果的かも知れません。
また、生地表面に残った洗剤により撥水効果が上手く発揮できなくなる可能性も。
すすぎは十分に行うようにしてください。
(※使用されている素材により条件が異なりますので参考までに。必ず、洗濯表示をご確認ください。)
4.撥水度レベル
接触冷感やUV機能と同じ様に撥水加工にもランクがあります。
撥水度は、試験する素材に250mlの水を30秒程、散布し、水滴を軽く落とした後、
素材がどのくらい湿潤しているかで判定します。
ランクは1級~5級まであります。
- 1級は、生地表面が全体的に湿潤している状態。
2級は、生地表面の半分程が湿潤している状態。
3級は、生地表面に小さな水滴上の湿潤がある状態。
4級は、生地表面は湿潤していないが、小さな水滴がある状態。
5級は、生地表面の湿潤も、水滴もない状態。
級数が大きい程、撥水性に優れています。
5.素材いろいろ、撥水加工生地
お気に入りの撥水生地を使用したアイテムがあれば、急な雨も、梅雨の季節も楽しく過ごせます。
素材別に撥水加工生地をご紹介致します。
無地はもちろん、チェックやストライプ柄、色数も多くバリエーション豊富です。
■綿を使用した撥水生地
販売価格:¥4,235 (税込)~
綿83%/シルク17%
タテ糸に綿、ヨコ糸にシルク(絹紡糸)を使用して交織することで、光沢感・しなやかさ・高級感が特徴の生地です。
光による色落ちが少なく、撥水加工を施しています。ハリのある生地で、なめらかな肌触りです。
交織ミニリップストップタフタ
販売価格:¥1,650/m (税込)~
綿 68%/ナイロン 32%
NYLON30d×COTTON80/1交織ミニリップストップタフタ。綿混率が高めですが、合繊のタフタのような質感。表面は撥水加工、裏面にはアクリルコーティングを施しています。一重のアウターや、中綿やポケッタブルなアイテムに最適な薄手素材です。
■ポリエステルを使用した撥水生地
販売価格:¥484/m (税込)~
ポリエステル100%
ポリエステル100%の先染めストライプジャガードです。ポコポコと丸みのあるジャガードで、光沢があります。
販売価格:¥550/m (税込)~
ポリエステル100%
おしゃれなチェック柄で、色バリエーションも豊富。インテリアに最適です。軽撥水の商品です。
■ナイロン100%の撥水生地
6.まとめ
撥水加工生地は防水加工に比べ、空気や湿気を通さない点での強度は劣りますが、お手入れしやすく、使いやすい素材です。
また、防水生地よりも比較的安く購入できるのも魅力です。
撥水性が低下してもお手入れで復活させることもでき、市販の撥水スプレーを使用することで長くきれいにご使用いただくことができます。
ちなみに撥水スプレーは100均でも手に入ります。
撥水生地で、梅雨や突然の雨でも快適にお過ごしください。
お問い合わせはこちらから
テキスタイルネット会員登録
テキスタイルネットはサービスも充実
ご利用ガイドに記載のない、ご不明な点などがございましたら、「よくあるご質問」も合わせてご覧ください。