チュール生地はウェディングドレスやひらひらとしたスカートによく使われる素材です。
チュールの特徴について特集していきます。
チュール素材とは
生地の特徴
チュールとは多角形の網目が連続しているレース生地の一種です。
糸を撚り合わせたものをからめて作る「撚りレース」と呼ばれるもので、「チュール(tulle)」という名前はフランス中南部の都市の名前に由来します。
数年前にチュールスカートが流行したことで広く知られるようになりました。
最近ではチュールスカートはおなじみのファッションになっていますね。
「亀甲目(きっこうめ)」と言われる六角形の網目で構成されているネットが一般的です。
(洗顔ネットのイメージですね)
もともとは絹(シルク)製品でしたが、現在では綿、ナイロン、ポリエステルなどでも生産されるようになり、特にナイロン製のチュールが多くを占めています。
チュール生地は「ソフトチュール」「ハードチュール」「パワーネットチュール」など種類が色々あります。
ソフトチュール
薄手で柔らかいのが特徴。
繊細で高級感があるので、飾り布としてよく使用されます。
ハードチュール
厚手で硬く、ハリのあるのが特徴。
重ねると布を支える力があるため、パニエなど服のボリュームアップの材料として使われます。
パワーネットチュール
高収縮糸のサモーラを使用し、通常のチュールよりもストレッチ性に優れたニットです。
また、チュールはデニール表示されている場合もあります。
デニールとは長い糸の太さの単位です。
9000メートルの長さにして1gになるのが1デニールとされます。
値が大きくなるほど糸が太くなります。
洗濯においても多少注意が必要です。
本来ポリエステルやナイロンは丈夫な素材なので洗濯機でガンガン洗っても大丈夫だと言われていますね。
ですが、チュール生地はネットのような構造をしているため破れやすく繊細です。
洗濯をするときは洋服の洗濯表示タグをチェックするのはもちろんのこと、他の洗濯物に引っかかって破損しないよう裏返して洗濯ネットに入れてから洗濯を行うようにしてください。
オーガンジーとの違い
どちらもウェディングドレスやベールなどに使われる素材で、軽くて透け感のあるところが非常によく似ているので違いが曖昧という方も多いと思います。
オーガンジーは薄く透明感のある平織物の布地です。
綿の布に硫酸仕上げ(ポリエステル生地の場合は樹脂加工)を施すことによって独特な透け感を出しています。
チュールは織り方によって、オーガンジーは加工によって透け感を出すという違いがあります。
また、チュールのネットのような見た目も見分けるポイントです。
チュール素材の用途
チュール素材は様々な用途で活躍している素材です。
チュールスカート、チュチュスカート、ドレス
コスプレ衣装の装飾、バレエ衣装
帽子の装飾
カーテン
結婚式やディスプレイなどの飾り布
服に使用する場合は、ハードチュールだとチクチクして気になってしまうことがあるのでソフトチュールを使うのがおすすめです。
飾り布として使うときも、サテンなど光沢感のある素材と一緒に使うことで華やかな演出をすることも可能です。