生地探しに迷ったら、生地のプロがサポートします!

無料相談はこちら

TEXTILE NET

【読み物】起毛革素材 スエードとは?

suede-sozai

 

スエードといえば起毛感が特徴的な秋冬素材のイメージがありますよね。
実は春夏用アイテムにも多く使用されています。
ファッションのコーディネートにも活躍するスエード素材について特集していきます。


-目次-

1.スエードとは?
2.スエードの特徴
-スエードは起毛皮革の一種
-人工皮革(フェイクスエード)
3.スエードと混同されがちな素材
-ヌバック
-ベロア
-バックスキン
4.スエードのお手入れ
-使い始めは防水スプレーをかける
-使用後はブラッシングする
5.まとめ

 

1.スエードとは

 

suede-sozai

 

スエードは、なめした革の床面(裏側)をサンドペーパー(ヤスリ)で擦って毛羽立たせたものです。

スエードの語源はフランス語の「スウェーデン」からきています。
皮革を毛羽立たせる加工技術はスウェーデンで考案され、フランスでこの技法が使われた手袋「ガーント・ドゥ・スウェード(スウェーデン製の手袋という意味)」
が流行したことにより“スエード”と呼ばれるようになったという説があるそうです。

日本では秋冬の定番素材として定着していますが、海外ではブーツなど様々なアイテムに用いられており季節問わず着用されています。
スエードが使用されている主なアイテムは
ブーツ、パンプス
靴、スニーカー
ジャケット
バッグ、財布
などです。

スエードは丈夫な素材なので靴に使用されることも多いです。
ブーツでは有名なところを上げると、クラークスのデザートブーツ。
スニーカーではニューバランスがスエード素材を多く使っていますね。

 

2.スエードの特徴

 

スエードは起毛皮革の一種

 

suede-sozai

 

“革”と聞くと革靴のような滑らかでツルっとした「スムースレザー」をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

スエードも革素材で、子羊や子牛など小動物の皮革の床面(本来内側である面)をサンドペーパーで毛羽立たせたものです。
もともとは子羊の皮を使うことが多かったが、現在では子牛の皮を使うのが主流になっています。
他にも豚革や山羊などを使うこともあります。

 

表面を起毛することで柔らかな手触りと、見た目に上品な光沢感とあたたかみのある雰囲気になるのが特徴です。
スエードの高級品は「シルキー」と呼ばれ、毛足が短く柔らかいものほど上質とされています。
小動物の皮を使うため、牛革に比べて小さい革が多く、革自体も薄めになります。

 

また、裏面を使うことで耐久性が上がりメンテナンスしやすいというメリットもあります。
革組織では銀面(表側)が最も丈夫ですが、使い続けていると劣化してひび割れてしまうということが起こります。
スエードはその銀面を裏側にもってくるのでそうしたリスクが減り、より丈夫な生地になります。
一般的な革製品にはクリームによる保湿が必要になりますが、スエードには必要ないこともメリットの一つになります。

 

人工皮革(フェイクスエード)

人工皮革とは、ナイロンやポリエステル繊維を絡めた不織布にポリウレタン樹脂を染み込ませて加工し、
その上からさらに別の樹脂を塗って人工的に革の風合いを表現したものです。
ものによっては本革と見分けがつかないこともあります。
摩擦や水分に強く、天然革のような柔らかい質感と耐久性が高いのも特徴です。
また、通気性やストレッチ性など天然革と比べ機能面で違いがあるものも多いです。

発色が良くカラーバリエーションが豊富なのも魅力の一つ。
ソファーなどのインテリア、自動車用シートなどに用いられることもあります。

 

人工皮革のおすすめ素材の紹介

 

3.スエードと混同されがちな起毛素材

 

ヌバック

牛革の銀面(表側)をサンドペーパーなどで毛羽立たせたものです。
厚めの革で毛足が短く、繊細な手触りと光沢感が強いのが特徴です。
スエードと比べて高級なアイテムによく使用されます。

 

ベロア

主に牛革の床面(裏側)が起毛している素材で、スエードよりも毛足が長いもののことを指します。
ふっくらとした風合いで、光の当たり方によって様々な色合いに見えるのが特徴です。
粗めの起毛感によりカジュアルな印象になります。

 

バックスキン

雄鹿革の表面をサンドペーパーで擦って起毛させた素材です。
「BUCK」(バック)は“鹿”という意味です。
軽くて通気性に優れる、柔らかくてしなやか、変色せず丈夫な生地という特徴がありコートや帽子、靴など様々なアイテムに用いられます。
現在では山羊や羊の皮を使うのが一般的になっています。

 

4.スエードのお手入れ

 

スエードはメンテナンスが簡単な素材ですが、汚れを放置してしまうと独特の風合いが損なわれ劣化を早めてしまいます。
普段からできるお手入れ方法の基本をご紹介します。

 

使い始めは防水スプレーをかける

 

suede-sozai

スエード製の靴やバッグなどを使い始める前に全体に防水スプレーをかけるようにします。
通常レザーは水分に弱く、汚れても水で洗うことは難しい素材です。
最初にスプレーをしておくことで、水分だけでなく油分や汚れからも守ることができます。
汚れが染み込まないので、簡単に拭き取ることができます。

防水スプレーの効果は時間が経つと取れてしまうので、月に1回程度はかけ直すなど注意が必要です。
また、「スエードに使用可能」と書いてある防水スプレーを使ってください。

 

使用後はブラッシングする

 

suede-sozai

 

起毛素材はホコリが付きやすいので、使用後はブラッシングをすることをおすすめします。
毛足の流れに沿って優しく撫でるように丁寧にブラシとかけてください。
ブラシの種類は豚毛・馬毛など柔らかい毛のもの(ほこり落とし用)を使うのもポイントです。
ブラシには何も付けなくても大丈夫。
靴クリーム付きのブラシを使ってしまうと色が付いて変色の原因になってしまうので注意してください。

 

5.まとめ

 

スエードについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
秋冬だけでなく、夏用サンダルにもスエードが使われているものが多く販売されており暑い季節にも大活躍の素材です。
革製品はしっかりお手入れすれば長持ちするので大切に使っていきたいですね。

お問い合わせはこちらから

この特集に関連する商品

-1