大切なペットの服を選ぶとき、生地選びが重要になってきます。
ペット服はペットを気候の変化から守るだけでなく、時にはファッションアイテムとしても活躍します。
ヒトとは違い、すべての生地がすべてのペットに適しているわけではありません。
特に犬、猫、うさぎなど、それぞれ肌の敏感さや使うシーンによって違いがあり、適した生地が変わってきます。
このため、ペットの快適性と安全性を保つために適切な生地選びが求められます。
今回は、犬服をはじめとするペット服に適した生地について紹介し、安心で快適なペットライフのための生地選びのポイントを解説していきます。
1.人気のペット服生地と種類
ペット服を作る際に重要なポイントとなるのが生地選びです。
ペットの快適さや見た目、手触り、耐久性に大きく影響します。
特に人気のある生地には、綿、ポリエステル、フリースがあります。
綿は肌触りが良く、天然素材のため敏感肌の動物にも適しています。
ポリエステルは耐久性が高く、濡れても早く乾くため、雨の日のお出かけに便利です。
フリースは保温性が高く、冬の防寒着に最適です。それぞれの特性を理解し、ペットの快適性を最優先に考えた生地選びをしましょう。
1-1.綿
綿は、天然素材であり、ペットにとっても安心して着用できることが魅力です。自然な肌触りと扱いやすさで人気が高く、特にその通気性と吸湿性の良さは、暖かい季節にペットが快適に過ごすのにピッタリです。
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綿生地のメリットとデメリット
綿生地は肌ざわりが良く、通気性に優れているため、犬服に使われる人気素材です。
綿は、空気を含むことで、暑さや湿気を効果的に外に逃がします(=透湿性)。夏場の暑い時期には、綿の服を着用することで、熱中症のリスクを下げることができます。
しかし、綿生地には水分を吸収しやすく乾きにくいというデメリットも存在します。
綿の性質上、水を吸い込みやすいため、雨が降る日や水遊びの後などは、服が重くなり犬にストレスを与えることがあります。
また、乾燥させるのにも時間がかかります。特に湿度が高い梅雨時には、綿の服が湿った状態で長時間保たれることが多く、これが犬の皮膚疾患の原因となる場合もあります。
1-2.ポリエステル
ポリエステルは合成繊維の一種で、水を弾きやすい特性と速乾性があります。強度が高く、型崩れしにくいため、アクティブな犬の服に適しています。
耐久性があり、手入れのしやすさが魅力です。特に、外遊びの多いワンちゃんの場合、泥や汚れによるダメージ、思わぬ引っかき傷などの怪我から肌を守ります。
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ポリエステル生地のメリットとデメリット
ポリエステルは摩耗や引き裂きに強いため、頻繁に洗濯が必要な犬服においても形が崩れにくいというメリットがあります。
これは、犬服を常に清潔に保つためには欠かせない特性です。さらに、ポリエステルは水分を素早く乾燥させる特性があるので、洗濯後の乾燥時間が短縮され、メンテナンスの容易さも大きな魅力です。
型崩れしにくいので、洗濯を繰り返しても服の形状を長期間保つことができます。
ただ、アレルギーやアトピー性皮膚炎などの肌の弱い動物にとって、ポリエステルの素材が肌に刺激を感じる場合があります。
実際に服を着せてみて様子を見る、もしくはポリエステルなどの合成繊維を避けるなどの選択をおすすめします。
1-3.フリース
フリース素材は、暖かさ、快適性、耐久性を兼ね備え、特に冬や寒い季節の犬服に最適です。
その柔らかさと保温性で、多くの飼い主さんからも人気の高い素材の一つです。
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フリース生地のメリットとデメリット
フリースは、繊維の内部に空気をたくさん含む構造をしており、それが保温性の秘密です。
冬の寒い時期にフリースの犬服を着せると、屋外での活動中も体温が逃げにくくなり、犬自身も快適に過ごすことができます。
また、フリース素材は非常に軽く、柔らかいため、犬が着用してもストレスを感じることなく、元気に動き回ることが可能です。
散歩や運動中でも、負担にならずに済むため、犬の活動量を妨げることがありません。そして、速乾性が高いため、洗濯時の乾きが早く、お手入れもラクなのが利点です。
フリース生地で注意したい点は、火に弱いことです。火花などの小さな火でもすぐに燃えて穴が空いてしまいます。
室内では飼い主さんの料理中や、ストーブ・タバコなどの火、キャンプなどのアウトドアのシーンでも、フリースを着用した犬を近づけないなどの注意が必要です。
2.季節に応じた生地の選び方
ペット服を作る際には、季節を考慮して最適な生地を選ぶことが重要です。
夏は涼しく、冬は暖かく保つための生地選びのポイントを解説します。
季節によってペットが快適に過ごせるよう、生地の種類や特性を理解し選択することが大切です。
夏のペット服におすすめの生地
夏用のペット服におすすめしたい生地は、主に通気性と吸湿性に優れている軽量タイプのものです。
夏の高温多湿な気候の下で、犬が熱中症に陥るリスクを抑える必要があります。
毛色が黒や暗めの色のワンちゃんなどは、熱を取り込みやすくなるため、とくに注意してあげたいです。
綿や麻のような自然素材は、その空気を含む性質により通気性が良いですし、水で湿らせることで冷却効果がある生地やメッシュ素材もおすすめです。
▼夏におすすめUV加工・接触冷感などの生地▼
冬のペット服におすすめの生地
冬用ペット服におすすめの生地としては、その保温性が重要なポイントになります。
冬季に気温が下がると、犬も(うさぎや猫も)人間と同じように体を温かく保つ必要があります。保温性能が高い生地を選ぶことで、寒い季節でも犬を寒さから守ることができます。
犬の場合は、アンダーコート(下毛)がなく、シングルコートの犬種には犬服を着せることがおすすめです。トイプードルやマルチーズなどの犬種は、寒さに弱いですね。
そのため、フリースやウールの生地が冬にはぴったりです。
▼冬におすすめウール・ニット▼
2-3.雨の日におすすめの生地
雨の日のお散歩やおでかけに、犬用のレインコートを着用させることがあるでしょう。
必ずしもレインコートを着せなくてはならないわけではないのですが、全身がずぶ濡れになるのを防ぎ、帰宅後に濡れた毛を乾かす時間節約という飼い主さんのメリットも考えられます。
レインコートにおすすめの生地素材は、やはりポリエステルやナイロンなどの合成繊維で、撥水効果のある生地がおすすめです。
▼レインコートにおすすめ生地▼
3.生地選びで避けるべき素材と注意点
生地を選ぶ際、見た目だけでなく生地の安全性や快適性にも気をつけることが大切です。
特にアレルギーを引き起こしやすい素材や、肌を刺激する生地は避け、犬の快適性を損なわないよう適した生地を選ぶことが重要です。
アレルギー反応を確認する
ペットも人間と同様に、特定の素材に対して皮膚のかゆみや発疹を引き起こすアレルギー反応を示す場合があります。
たとえば、綿の衣服を着せた後に皮膚に赤みやかゆみが生じる犬は、綿に対してアレルギーがある可能性が高いです。アレルギー反応を予め確認し、適切な素材の衣服を選びましょう。
生地の強度を考える
犬は活発に活動する動物であり、遊んだり走り回ったりする中で、生地が簡単に破れたり傷んだりすることは避けたいものです。また、生地の強度が不十分な場合、犬の爪で引っかかりやすく、それによって不快を感じることもあります。ナイロンやキャンバスなどの耐久性が高く頑丈な生地は、外での活動が多い犬やアウトドアに最適です。
4.ペットのおしゃれを楽しみたい方へ