
”ピケ”と聞いてどんな生地を思い浮かべますか?
ピケとは畑の畝(うね)のような立体的な模様が特徴的な生地です。
コーデュロイのようなと言ったほうが分かりやすいかもしれませんね。
古着の世界ではリーバイスの白ピケなどとしても有名で、他にもシャツやジャケット、パンツなどに利用されています。
今回はピケってどんな生地なのか、模様のある他の素材とはどう違うのか解説していきます。
目次
1.ピケとは何か?
ピケとはフランス語で浮き出し織りという意味があります。
他にも様々な意味の“ピケ”という言葉があり、検索してみると様々な分野の“ピケ”が見つかります。
ピケ(piqué)
布面に縄を蜜に並べたような畝(うね)を出した織物。素材は木綿、ウールなどで、夏帽子、服地などに使われる。
浮き出し織り。ピケ織り。(デジタル大辞泉より)
古着ではリーバイスの白ピケが有名。
ピケする(piquer)
パイ生地やタルト生地を加熱するとバターが溶けて生地に空気が入り膨らむ。
このとき均一に膨らまず部分的に膨らんだり火の通り具合に差が出てしまうのを防ぐために焼く前の生地に
ピケローラーやフォークで穴を空けることをピケするというお菓子作りの工程の用語。
まだまだ…
ピケット・ピケッティング
労働協議に関する言葉。
ピケ(バレエの用語)
バレエのステップの一種。爪先で床を突くようなステップ。
パイク(pike)
槍の一種。フランス語でピケ(pique)と呼ばれた歩兵用の槍の英語発音に由来する。
ジェラール・ピケ … スペインのサッカー選手。
ネルソン・ピケ … ブラジルのレーシングドライバー。息子もレーシングドライバーとなった。
項目がいっぱいあって長くなってしまいました。
お料理や政治的なもの、足場や人名まで幅広く出てきてしまい、なかなか布生地に辿り着くことができません。
生地に関して調べていたのにピケってなんだろうという疑問だけが残ってしまいますね。
この特集で扱うのはもちろん最初に書いたピケ織りのピケです。
ピケの特徴

ピケには表面に畑の畝(うね)のような立体的な凹凸があるのが特徴です。
コーデュロイのような縦方向の畝の他にも、ひし形などの模様を表したものもあり、厚地で丈夫な織物です。
畝を不均等に出しているものは「ランダムピケ」とも呼ばれます。
本来ピケというのは横方向に畝のある織物のことを指しており、
縦方向のものは経ピケまたはベッドフォード・コード(Bedford cord)と呼ばれ区別されていました。
ですが最近では経畝のある織物も総称してピケと呼びます。
この生地は二重織りという織り方で作られています。
二重織りとは経糸(たていと)に表と裏に出るものを2種類、緯糸(よこいと)も表と裏それぞれの経糸に
織り合わせる2種類の糸を使用して表と裏を別組織に織った織物のことです。
ピケも綾織と平織りを組み合わせて縦に畝織りしています。
ピケは厚地で丈夫な生地なのでシャツやパンツ、夏帽子、椅子カバーなど幅広い用途で使われています。
生地表面に立体感があるので通気性に優れ、肌にまとわりつきにくくサラリとした感触です。
丈夫に織られた伸びの少ない生地で、カチッとした細身の着こなしにも向いているのでメンズアイテムに人気が高いです。
ピケに使われる素材はコットンや毛(ウール)、合成繊維などがあります。
コットンはシャツ地に、ウールはスラックスに使用されることが多いです。
■おすすめのピケ生地
【画像をクリックすると詳細ページに移動します】
2.他素材との違い
表面に立体的な模様がある生地は他にもあります。
ピケとの違いを比べていきましょう。
■コーデュロイ
ピケの説明で何度も出てきているコーデュロイ。
この生地も表面に畝のような立体的な模様があるのが特徴です。
ビロードのような光沢があり、肉厚な生地感と触り心地で秋冬の衣類に使われています。
ものすごく分厚いピケなんじゃないの?と思いますが、コーデュロイはパイル織物のひとつでタオルと同じ作り方をしているんです。
織り方の種類が違うということですね。
【画像をクリックすると詳細ページに移動します】