冬物アウターの定番 メルトン生地

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メルトン生地とは、チェスターコートやピーコートなどに使用されるフェルト状の厚手生地のことです。
保温性や耐久性があり、重厚感ある風合いと高級感も魅力の生地です。

 

- もくじ -

 

1.メルトン生地とは

 

2.メルトン素材の特徴

 

3.コートの種類

 

1.メルトン生地とは?

 

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メルトン生地は厚地で手触りが滑らか、保温性・柔軟性に富んだ秋冬アウターには欠かせない素材です。
ウールやコットンの天然繊維のほか、アクリルなどの化学繊維が使われます。

 

メルトン生地とは紡毛織物(ぼうもうおりもの)の一種です。

紡毛織物とは、紡毛糸(ぼうもうし)と呼ばれる短い羊毛や再製糸(くず糸)を使って作られた糸を用いた織物のこと。

この紡毛糸には
・繊維の方向が一定ではない
・太さが均一ではない
・糸そのものの柔らかさを生かして甘く撚っている
という特徴があります。

糸の表面がフワフワと毛羽立っていて保温性に富んでいます。
編み物で使う毛糸がこれにあたります。

 

この紡毛糸を平織りまたは綾織りしてできた織物にふんわりとした風合いを出す加工をします。

この加工を縮絨(しゅくじゅう)と言います。
毛織物の仕上げの工程で、布地を収縮させ毛端を絡ませてフェルト状にします。

 

2.メルトン素材の特徴

 

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メリット

◎保温性

この紡毛糸を平織りまたは綾織りしてできた織物にふんわりとした風合いを出す加工をします。

 

◎生地が柔らかい

重厚感のある厚みにも関わらず柔らかい質感というのもメリットの一つ。
縮絨によって生地をフェルト状にしているので手触りも滑らかになり、着心地も良くなります。

 

◎耐久性がある

生地に厚みがあるため耐久性があります。
軍服などの素材としても用いられることもあり、撥水性にも優れています。

 

デメリット

▼重たい

上質なウールをたくさん使った生地ほど保温性が高くなるなどのメリットがある一方、重たくなるというデメリットもあります。

 

▼毛玉になりやすい

特にアクリルなどの化学繊維を多く使用している安価な値段のメルトン生地は毛玉ができやすいです。
高品質なウールを使っている場合でもバッグなどの摩擦によって毛玉ができてしまう場合もあります。

 

▼虫食いのリスク

ウール素材でできているメルトン生地は虫食いのリスクがあります。
着用後はブラシできれいにする、長期間保管する場合は防虫剤を入れておくなどの対策が必要になります。

 

メルトン素材の注意点・お手入れ方法

ファッション性も機能性も高いメルトンコートは毎日でも着たくなりますよね。
大切なメルトン素材のアイテムを長持ちさせるためには、しっかりとしたお手入れがポイントになります。

 

着用後のコートのケアですが、馬毛ブラシや豚毛ブラシを使ってブラッシングします。
毛玉を防ぐだけでなく、生地の奥まで付着した花粉やホコリを取り除くことによってダメージを防ぎコートが劣化しづらくなります。
強くブラッシングをすると逆にダメージになってしまうので優しくブラッシングしていきましょう。

毛玉ができてしまった場合はハサミや毛玉取りなどで毛玉を取り除き、生地を傷めないように注意してください。

着用後は1日ほど干して乾燥させてからクローゼットに入れます。

 

メルトンは水分や湿気が色落ちや黄ばみ、シミなどの原因になりやすい素材です。
雨の日の着用はできるだけ避け、濡れてしまった場合は乾いたタオルでしっかりと水分を拭き取り乾燥させてください。

シーズンオフなど長期間保管する場合は、幅の広いハンガーにかけておくことによって型崩れを防ぐことができます。

 

また、自宅での洗濯は縮んでしまったり風合いを損ねる可能性が高いのでクリーニングに出すようにしましょう。

 

3.コートの種類

 

メルトン素材におすすめのコートをご紹介します。

 

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ピーコート

日本では「Pコート」と表記される場合がありますが、英語では「pea coat」と表記します。
イギリス海軍の船員が着用していたコートで、名前の由来は毛羽立った厚地の生地名“ピー”から名付けた説、イカリの爪“ピー”から名付けた説など諸説あるそうです。

・冷たい風の侵入を防ぐため風向きに合わせて左右どちらにも上前が変えられる
・手を温めるためのポケット(ハンドウォーマーポケット)
・遠くの音を聞きやすくするための大きな襟(襟を立てて聞く)

など、厳しい環境を耐え抜くためのデザインになっています。

ビジネス~カジュアルまで幅広いコーディネートができます。

 

チェスターコート

正式名称はチェスターフィールドコートと言います。
名前の由来は19世紀にイギリスのチェスターフィールド伯爵が初めて着用したことからとされています。

・テーラードジャケットのようなノッチドラペル(V字切り込み)
・ヒップが隠れるくらいのやや眺めの丈
・スマートな縦長シルエットで様々な着回しが可能

あらゆる場面での着用ができる万能なコートです。
スーツなどと合わせてフォーマルやビジネススタイルに、パーカーやジーパンなどと合わせてカジュアルに着こなせます。

 

ダッフルコート

もともとは北欧の漁師の仕事着だったものがイギリス海軍の防寒着として使用され一般に広まっていきました。
トグルと呼ばれる紐付きの留め木ボタンと大きなフードが特徴的なコートです。
手袋をしたままでもボタンを付けられる、帽子の上からフードをかぶって防寒するなど機能性を重視したデザインになっています。

カジュアルなシーンにオススメのコートです。

 

その他のコート

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ポロコート

ポロコートは紳士的なスタイルのコートとして人気です。

イギリス発祥のスポーツ「ポロ」にちなんで名付けられました。
厚手のウール素材でキャメル色、6つボタン仕様のダブルブレスト、ターンナップカフ(袖先を折り返したカフス)、
バックベルト、幅広のラベルが基本の特徴です。

ビジネス、カジュアルどちらでも着用できます。

 

ラップコート

ラップコートは巻きつけ式のコートでボタンを使わず共生地のベルトを巻いて着用します。
「ラップ」は「巻く」という意味です。
ゆったりとしたデザインでレディースのコートが主流でしたが、近年ではメンズのラップコートも登場しています。

無地のブラックやグレーのラップコートなら、ビジネス~カジュアルまで幅広い着こなしが可能です。

 

おすすめのメルトン素材

 

●カットオーダー(切り売り)は1m単位で最大10mまでとなりますので購入の際はご注意下さい。
(注文数量で1m、2m…と選択できます。)
※カットオーダー/Piece オーダーのみのご注文は、販売企業が定める小口送料が発生します。

●サンプル帳(見本帳)ご用意しております。オーダータイプでサンプル帳を選択の上ご注文ください。

●販売価格はバリエーションごとに異なる場合があります。各バリエーションのページでご確認いただけます。

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