ゴブラン織りはよこ糸に何色も(ときには何百色も)使用して模様を織りだす平織りの生地です。
非常に繊細な表現が可能で中世フランスではタペストリーなどの室内装飾品に使用されていました。
現代でもカーペットやファッションなどに用いられ、ゴブラン織り独特のレトロ感のある雰囲気が人気となっています。
- もくじ -
-タペストリーとは
-つづれ織り(綴織り)とは
-主な特徴
-洗濯時の注意点
-ジャガードとの違い
-①クラシカル
-②古着系
-③ハンドメイド
-ゴブラン調生地のご紹介
1.ゴブラン織りとは
現在、ゴブラン織りとはつづれ織り一般の名称となっています。
かつてはフランスのゴブラン工場(Manufacture des Gobelins)で作られた
平織りの変化組織であるつづれ織りのタペストリーのことを指す言葉でした。
その歴史は古く、13~14世紀のフランスの王立工場で、王室向けに作られていたそうです。
芸術性が高いというのも特徴の一つで、その豪華な見た目からタペストリーや室内装飾品として使われていました。
主な素材は毛と麻で、絹や金、銀糸を使うこともありました。
よこ糸に色糸を使い、模様によって色を変えていきます。
各色糸はその色を必要とする部分にのみ使われ、1本の糸が織物の耳から耳まで通っているわけではありません。
ときには数百色という色糸を使うこともあり多色表現が可能で、絵画をタペストリー化することもできます。
織るのに手間と時間がかかるため、価格も高額になりやすいです。
現在でもフランスやベルギーなどヨーロッパ諸国で製作が続けられています。
タペストリーとは
壁掛けなどに使われる室内装飾用の織物の一種。
部屋のインテリアや店の販促などの目的で、壁に吊り下げる織物または広告物のことです。
のれんや垂れ幕と呼ばれることもあります。
厳密には綴織で作られた織物のことを指しますが、現代では化学繊維の生地にプリンターで印刷したものも含まれます。
つづれ織り(綴織り)とは
つづれ織りの起源は約4000年前のエジプトにまで遡ります。
日本へは奈良時代に中国から伝わり、現在の形とつながるつづれ織りの発祥は江戸時代の京都の西陣です。
綴錦(つづれにしき)とも言い、よこ糸に二色以上の色糸を使い模様を表します。
ゴブラン織りと同じく、必要な部分にのみ各色糸が使われるため耳から耳までよこ糸が通っていません。
つづら折りのように蛇行して織り進められるため、つづら織りの名称が付いたとされます。
一日に数センチほどの長さしか進まないこともあり高価な生地とされます。
素材はたて糸に丈夫な麻や木綿、よこ糸に甘撚りの毛糸(羊毛)や絹、ときには金、銀糸を使います。
2.ゴブラン織りの特徴
ゴブラン織りは、カーテンやカーペット、クッションカバーや椅子の張り布などのインテリアファブリックや
ジャケットやスカートなどの服地やバッグ、パンプスなどのアパレルまで幅広く使われています。
主な特徴
①芸術性の高い繊細なデザイン
何百色もの色糸をよこ糸に使用できるので、色数の多い絵画や文様などのデザインを織ることができます。
タペストリーやカーペット、テーブルクロスなどのインテリア用品のほか、服やバッグなどのアパレル製品にも使われています。
アンティーク風のファッションやおしゃれな古着ファッションなどでも人気が高いです。
また、ゴブラン風のアンティークな花柄(バラ柄など)のプリント生地も多く販売されています。
②お手入れが簡単
ゴブラン織りは平織りの一種なので、毛足が無くホコリやゴミなどが絡まる心配がありません。
カーペットなどはコロコロをかけるだけで簡単にホコリを取ることができるのでお手入れがすごく簡単です。
③丈夫で長持ち
たて糸とよこ糸をしっかり織り込まれているので耐久性に優れています。
土足文化の欧州でラグやカーペットといて使用されているのはこの丈夫さがあるからこそ。
椅子やソファーなど負荷のかかりやすい家具の張り布としても使われます。
洗濯時の注意点
アクリルや絹などが使われていて洗濯表示でも洗濯不可となっていたらドライクリーニングがおすすめです。
水や熱に強いポリエステルの場合は洗濯機、手洗いで洗える場合があります。
風合いを損ねないためにも洗濯表示は必ず確認し、不安ならクリーニングに出しましょう。
ジャガードとの違い
ゴブラン織りとよく似た生地でジャガードという生地があります。
ジャカード織機を使用してパターン(柄)を編み込んでいく方法で作られます。
どちらの生地も柄が織り込まれているところは同じですが、
◎ゴブラン織りは表面が平坦でたて糸とよこ糸が規則的に織られている
◎ジャガード織りは柄が立体的で厚手、たて糸とよこ糸が不規則に織られている
という違いがあります。
ジャガード織りはタオルなどにも使われており、洗濯しても色落ちしにくく長持ちするというメリットがあります。
高級感のあるカーテンやカーペット、服などのアパレル製品にも使われています。
3.ゴブラン織りをファッションに取り入れる
ゴブラン織りはクラシカルな模様や花柄、猫や犬などの動物柄、小物やティディベア、車、幾何学模様などの個性的な柄まで幅広くあります。
最近では特にレーディースファッションでゴブラン織り(ゴブラン調)を取り入れたファッションアイテムがたくさん登場しています。
①クラシカル
クラシカルファッションとは、50-60年代の海外映画の女優のような上品で女性らしさのあるスタイルのことです。
シャツやAラインスカート、トレンチコートなどベーシックな装いで、ブラックやホワイト、ベージュ系のベーシックカラーを基本とします。
流行に左右されることがなく、幅広い年代で人気があります。
レトロ感のある柄とクラシカルファッションは相性抜群。
ゴブラン織り(ゴブラン調のフラワープリントなど)のアイテムを加えるだけで、ベーシックな装いが華やかになります。
スカートやワンピースでは主張が強くて服では取り入れにくいという場合はハンドバッグやパンプスなどの小物でプラスしてもかわいいです。
②古着系
ゴブラン織りのアイテムは古着系と呼ばれる、古着を使ったコーデにも人気です。
古着にはリサイクルショップで売られているようなユーズド古着やヴィンテージ古着、古着風と呼ばれる新品の服など様々な種類があります。
古着系ファッションでよく用いられるのは昔のブランド物などがあるヴィンテージ古着
や海外から直接仕入れ、輸入したファッション性が高く1点ものが手に入りやすいインポート古着などが挙げられます。
こちらもあまり流行に左右されず、男女ともに人気のスタイルです。
古着の専門店にはゴブラン織りのジャケットやパーカーなどもあり、カラフルで個性的な古着系ファッションにもぴったりです。
③ハンドメイド
ゴブラン織りの生地はとにかく柄の豊富さが魅力です。
産地も様々で、通販サイトなどでは近所の手芸店や生地屋さんには置いていないようなフランス製、オランダ製などの輸入生地があります。
既製品では見つけられないような柄の生地でオリジナルのスカートやジャケットを手作りしている方もいます。
手芸材料としても人気で、バッグはもちろんカットクロスや余ったハギレでポーチやヘアバンド、パッチワークなども作れます。
ゴブラン調生地のご紹介
画像をクリックすると商品の販売ページへ移動します。
商品品番:UN_KKF6516-58-2D
商品名:KKF6516-58-2D ゴブラン調JQ
レーヨン31% ポリエステル69%
生地巾150cm 長さ50m
【商品説明】
アンティーク調のジャカードです。
複数の組織変化と糸を組み合わせることで深みのある素材に仕上げています。
グレー系、オレンジ系、ブラウン系の3色展開。
商品品番:CN_5360
商品名:5360 ゴブラン織り調ジャカード
ポリエステル100%
生地巾150cm 長さ50m
【商品説明】
ゴブラン織り調ジャカードです。インテリアファブリックのため、アパレル用途の場合は、自社で物性を確認してください。
●カットオーダー(切り売り)は1m単位で最大10mまでとなりますので購入の際はご注意下さい。
(注文数量で1m、2m…と選択できます。最低単位は1mです。)
※カットオーダー/Piece オーダーのみのご注文は、販売企業が定める小口送料が発生します。
●サンプル帳(見本帳)ご用意しております。オーダータイプでサンプル帳を選択の上ご注文ください。
●販売価格はバリエーションごとに異なる場合があります。各バリエーションのページでご確認いただけます。