【ジャガード織り(ジャカード織り)】
ジャガード織りとは、よくテーブルクロスやカーテン、絨毯とかで良く商品で耳にしたり、
お店で見かけることもあるかと思いますが、
生地の模様や柄が立体的で大きく見えるような織り方で作られた生地のことを言います。
よく業界では、ジャ”カ”ードと言ったり、ジャ”ガ”ードと言われたり、
本当の言われ方はどっちなんだ?と ”アボカド”!? ”アボガド”!? と巷で論争となるくらい、
業界の中ではよく?話題となってるのかどうなんでしょうか。。
では先ず歴史的なところから、呼び方の謎にせまってみましょう。
【ジャガードの歴史】
ジャガード(ジャカード)織りはジャガード(ジャカード)専用の織機(ジャガード織機又はジャカード織機)で織った織物で、
その織機は1801年フランス人のジョセフ・マリー・ジャカールさん(Joseph Marie Jacquard) によって
発明、考案された自動織機なんですね。
そこで注目!!発明家、ジョセフ・マリー・ジャカールさんのお名前の英語表記を見てみましょう。
ジャカール/Jacquardさんの英語表記で読みますと、濁点がついていない!
ので正しくには”ジャカード”なんですが、日本語では”ジャガード”の方が発音がしやすいことから、濁音でも呼ばれるようになっています。
実際の検索でもジャガードで調べても出てきますね。
この織機が発明されたのは、実はすごいこと。
昔は絵が浮き上がるような織物を作るのは簡単なことではなく、
2人で糸を上下させながら製作する必要が有りとてもが手間が掛かっていました。
しかし、ジャガード機の発明によって1人でも糸を仕掛けて織ることが出来る、自動織機となりました。
1人で操作できるわけです。
一般的な織り方、特徴としては、デザインに沿って紋紙(もんがみ)(*パンチで穴を空けたシート。パンチカード。)を作成。
記載された情報に従って染色、整経(せいけい)された糸を使って織っていきます。
穴の空いている紋紙には、穴の空いた部分と空いていない部分があります。
穴の空いている部分を糸が上下して織るという手法です。
このパターンに沿って上下運動を繰り返し、模様が造られていきます。
その情報を機械が読み取って布を織っていくという仕組みです。
【ジャガード織りの特徴】
ここからは、言いやすいジャガードで言ってみます。
ジャガード織りの特徴としては、模様がプリントされた生地に比べて厚みがあり、立体的に見えるということが言えます。
同等の太さの縦糸と横糸を不規則に織っていくため、複雑な柄も再現できます。
また、経糸(タテ糸)も緯糸(ヨコ糸)も糸染、先染め生地で生産されることが多く、
立体的な柄が浮き上がりキレイに表現され、また色落ちもしにくいというメリットがあります。
デメリットとしては、コスト面でしょうか。
ジャガードは肉厚感、耐久性もあり上品で高級感が魅力ですが、
先染めで織られた繊細なテキスタイル故に通常の平織りや綾織りに比べ価格が高い。。。
なので使用する糸本数、柄の種類が増えれば増えるほどコストもかかります。
ジャガード織りの生地を作成する際はコストを考慮して柄を組み立てることも必要になります。
【ジャガード織りが使われているもの】
ジャガード織りは高級感のあるカーテンや絨毯をはじめ、ドレスやスカートなどアパレル製品やバッグなど様々なアイテムに使われています。
ME27158SS カモフラージュジャガードトリコット 定番の迷彩柄
ジャケットの裏地にも、キュプラやポリエステル素材で造られたジャガード生地もあります。
使い方次第でジャガード1枚でとても華やかな雰囲気を演出できます。
皆さんのなかで、身近に使われているタオルにもジャガードタオルと呼ばれた商品もあります。
立体的な柄が織りなす柔らかな肌触り。
吸水性に優れ、フェイスタオルやマフラータオルなどで店頭で見かけます。
また、シルク生地では、ネクタイや着物の帯などにも使われます。
シルクの光沢と質感、柄の立体感は更に高級感を増した表現になりますね。
上の写真は、人気のストレッチ素材。
キックバック性に優れた、オリジナルの4WAYジャガード。
主張しすぎないマットな光沢感が上質感を演出します。
他にも綿を使用したコットンジャガードやジャガードレース、ニットを使用したジャガードニットなどもあります。
ジャガードニットは織りではなくジャガード編みになります。
花柄を入れたり、ブランドのロゴを入れたジャガード編みの「ジャガードリブ」を使用したアイテムがとても人気です。
【ドビー織りとの違い】
ドビー織り専用の織機で織られた生地で、規則正しい小模様が反復しているのが特徴です。
柄の表面には光沢があり、主にワイシャツや子供服など、実用的な衣服の生地に多く使用されています。
ただし、織り方の性質上、精巧なデザインの模様には対応しておらず、また、ドビー織りは大きな柄を織ることが出来ないため
柄模様も限られてしまうのでシンプルな仕上がりになります。
一方、ジャガード織りは比較的デザインの自由度が高く、大胆な柄でも緻密な柄でも織ることができます。
比較的大きな繊維製品、特にインテリア関係に使われて行く用途が多い事が頷けます。
最近はジャカードのコントローラとしてコンピューターを使用し、
紋紙(パンチカード)の代わりにコンピュータデータを用いた電子ジャカードが普及してきています。
しかし日本国内産地でもまだ、メカ式ジャカード織機の織物も動い紋紙読み取り部のみを電子化し、
ジャカード織機にフロッピーディスク装置を接続したダイレクトジャガードが多く使用されている。
レピア織機やシャトルタイプの織機も未だ残されており、これらで織られた生地は生地のテンションが柔らかく、
嵩が高くて風合いやきれいな柄が浮き出るような表情になります。
色々なタイプの柄を見てみたいですね。
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