今年のトレンド向け商談が始まりました。
早くもコーデュロイ、コールテンの声が多く聴かれます。
少し早い気もしますが、コーデュロイ素材特集です。
イヤイヤ。
今は、春夏にだって大活躍です。
チェックしておきたい素材!!
1.コーデュロイはどんな風に使用されてる?用途は?
コーデュロイ、コール天と言えば、独特の凹凸感が特徴で、秋冬向けに様々な洋服、コーディネートに使用されています。
素材はコットンが多く、最近ではショートパンツの商品等、春夏向けに使用されることも増えてきています。
タオルと同じパイル織物の一つで、ベッチンと同じ織り方をしています。
コーデュロイ?コール天?(コールテン?)
コーデュロイと呼ばれることもあれば、コール天(コールテン)と呼ばれることもあってどれが正しいのか気になりますよね。
微妙な風合いの違いで区別されることがあるようですが、基本的には同じものを指しています。
コーデュロイの語源は“王様の畝”という意味のフランス語『corde du roi』だとされています。
一方、コール天(コールテン)はコーデュロイの日本での呼び方です。
語源は『Corded Velveteen(畝織の天鵞絨)』。
畝(うね)という意味の『cord』とビロードの和名『天鵞絨(てんがじゅう)』を合わせて“コール天”となったそうです。
使用されているアイテム
コーデュロイはベロアやスエードのような柔らかい光沢感と畑の畝のような見た目が魅力的な生地です。
秋冬素材の定番でもあり、衣類以外にもさまざまな小物にも使われています。
学校で必ず使っている黒板消し、あれもコーデュロイが使われているんですよ。
秋冬の定番素材と言われるだけあって、寒い季節のアイテムに多く登場しますが春夏アイテムにもおすすめです。
今季は、パンツとジャケットのセットアップなんかも流行ってましたね。
スカートやワンピース、シャツなどのアパレルアイテムはもちろん、コーデュロイのマスクも売られていました。
他にはクッションカバーやソファカバー、スリッパなどのインテリアアイテムにも使用されています。
コーディネートの主役にしたり、おしゃれなアクセントとして使うなど様々な着方が可能です。
ハンドメイドとして使用するのは凹凸があるのでちょっと、なんて心配ご無用。
コーデュロイには様々なタイプがあるので大丈夫です。
コーデュロイの畝の太さって色々あるよ
コーデュロイは、1インチ(約2.6cm)間に畝(うね)が何本あるかで分けられます。
コール天などの織物面の畝(うね)は英語で【wale】と書きます。
この【ウェール】を使用して表記されますが、【ウェル】と書かれていることもあります。
畝の太さに対して細コール・中コール・太コールなどの種類に分けられます。
14~18ウェールのコーデュロイ(中コール)
パンツ、スカート向けにはズボンコールと言われる1インチ間に畝(うね)が14~18個有るタイプ。
ボトムスだけでなくジャケットなどのトップスにもおすすめ。
セーターと合わせるコーデも人気で冬っぽくお洒落な感じになります。
21ウェールのコーデュロイ(細コール)
シャツ、ワンピース向けには細コールと言われる1インチ間に畝が21個有るタイプが主流です。
コーデュロイはカジュアルな印象の生地ですが、細コールのものはきれいめなコーデにも使えます。
シャツの上にニットを重ね着するなどの着こなしもできます。
春夏アイテムにはこの細コールのものがおすすめです。
6~10ウェールのコーデュロイ(太コール)
ここ2~3年は太コールと言われる1インチ間に畝が8~10個有る生地がレディースのパンツ向きに人気です。
ワイドパンツやジャンパースカート、帽子やバッグにもおすすめです。
厚手で保温性もあり、もこもことした可愛らしい印象になるので秋冬に向いている素材です。
2.コーデュロイってどうやって作るの?
コーデュロイが他の布・布地と違う点は生産工程が多く、複雑で時間の掛かる作り方になっていることです。
パイル織物と言われる変わり織り工程を踏み、その後カッティングと言われる凸凹を作る工程に進みます。
この工程はとても繊細で、熟練された職人さんが生産、品質管理をしないと、不良生地が大量に発生してしまいます。
1.織布
生地を織ります。
2.カッチング
パイルを専用の機械でカットします。
3.洗い
生地を揉み込み、パイルをほぐす。これによりコーデュロイ特有の畝が生まれます。
4.毛焼き
仕上げに乾燥させたコーデュロイの表面をローラーで焼きます。
余分な毛が焼け、毛並みがそろい、テカリが出ます。
5.染め上げ
カラふるなコーデュロイの誕生です。
コーデュロイの要、ポイントとなるこのカッティング工場はコールテンの産地、静岡県磐田市に有りますが、
低価格の海外製品に押され、年々減少しています。
日本のコーデュロイ、コールテンを絶やさないため、次世代へ繋げるために、
産地企業の皆様が織り方、使用する糸、カッティング方法、染色方法を工夫して、
肌触りが良く、表面に光沢の有る上品なものや、保湿性や軽量感、伸縮性のある機能性重視のものなど、
いろいろな新しいコーデュロイを毎シーズン誕生させています。
値段は少し高くはなりますが、日本製の丁寧なモノ作り、産地企業様のアイデアが詰まった
日本のコーデュロイを秋冬アイテムに是非ご使用ください。
きっと素敵な1着が出来上がるはずです。
3.コーデュロイを使用する時の注意点メリットとデメリット
メリット
表面のふわふわとした肌触り、保温性。
表面の畝が空気を含んで保温してくれます。
ベルベットのような風合いは、ウェールによって様々な表情を見せてくれます。
デメリット
表面の毛羽立ちによりホコリが付きやすい。特に黒やネイビー茶色などの濃色はホコリが目立ってしまいます。
また、ずっと使用していると毛が寝てしまったり、抜けてしまい色褪せたように見えてしまいます。この時も白や淡い色の方が目立ち難いです。
4.お手入れ方法
ホコリを取る時はガムテープやコロコロを使用するのは危険。
糸が抜けたり、毛並みが崩れてしまい光沢が失われてしまいます。
ホコリを取る時は毛並みに沿ってエチケットブラシを使って取り除きましょう。
家庭で洗濯するときは、コットンやポリエステル素材のような耐久性のある繊維は洗濯機で洗える場合もありますが、
ウール素材は手洗いのほうがいい場合もあります。
洗濯は、色落ちや畝がよれるだけでなく、縮むこともあるので洗濯表示の確認をするようにしてください。
水洗い不可やドライマークのあるものは家庭洗濯ができないので注意が必要です。
シワができてしまったら、やさしく脱水を行い干すときにシワを伸ばして干すか、裏側からアイロンをかけて伸ばすようにしましょう。
5.縫い方・裁ち方
コーデュロイを裁断する時は毛並みをチェック。
例えば、前身頃の左右で上下逆の毛並みで裁断してしまうと着た時にあべこべに見えてしまいます。
生地を上下に畳んだでわ裁ちしないように注意しましょう。一方方向裁ちで。
コーデュロイをはぎ、パッチワークを作る場合はなどあえてデザインで、とい言うことであれば問題ないです。
また、通常の柄合せと同様に左右の畝を揃えて裁断すると仕上がりがきれいです。
それから、縫い方は。
畝はあるので、通常のミシン縫いよりも針目(運針幅)を気持~ち大きくすると縫いやすいです。