プレミアムテキスタイルジャパン(Premium Textile Japan) 2020SSが5月21日~22日東京国際フォーラムにて開催されました。一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構のテキスタイル事業として、Premium Textile Japan (ビジネス商談会) 、JFW JAPAN CREATION (繊維総合見本市)が、年2回開催されており、 日本国内のテキスタイル製造業者、卸販売企業を中心としたサプライヤと世界から質の高いバイヤーが集うビジネスマッチングの場となっています。
テキスタイルネット出展企業も多数、出展しており、取材してきました。
宇仁繊維株式会社
メイドインジャパンにこだわったものづくりをする宇仁繊維株式会社。多品種、小ロット、スピード、サービスをモットーに、織機や工場への積極的な投資も続け、産地と協業しながら付加価値のあるテキスタイルを提供しています。
自分たちで作る、工業的発想が強みという同社は、常時4万点を超えるサンプルに加え、白生地を約600種類持っており、生機、P下からの染めやプリントもスピーディー。また経糸をかけているので織りにもフレキシブルな対応が可能となっています。
『5GO JQ P』(ゴーゴージャカードプロジェクト)と題し、ジャカード織機の増設を含め全社をあげたジャカードの拡充をしてきた同社。バリエーションを豊富に揃える中でも特に今注目なのがジャカードにプリントを施したシリーズ。柄on柄の贅沢な仕上がりで、10柄ほど展開していますが生産が追いつかないほど人気とのこと。
(左)速乾性、防透け、UVカット、接触冷感を備えたトルソーのストライプワンピース 30スパン CD ストライプ KKF5740CD
吸汗、速乾、UVカットや防透けなど、機能性を持たせた生地はテイストを横断して提案。レースはポリエステル100%のウォッシャブルを打ち出しています。
(左)麻調ガルゼ KKF1777
(右)キュプラ混ブロードエアタンブラー KKF2880
また今回は、麻調やキュプラ混など、質感を持たせたテキスタイルも好調で、継続してニーズの多いプリーツはグループ会社・オザキプリーツと提供する天然繊維のシリーズ「MAX PLEATS」が注目です。
チェック柄も豊富なラインナップ。先染めでは時間もかかってしまうものも、プリントだとスピーディーな対応が可能で、中でも多色のチェック柄が人気となっています。
コスモテキスタイル株式会社
天然繊維の織物を中心にアウター、ボトム用素材を企画、生産、販売するコスモテキスタイル。国内生産がメインで、250品番以上の品種はカラー在庫を持っており1反単位での購入も可能です。
今回は、定番のチノやモールスキンも豊富にラインナップしつつ、機能性や質感が注目のソロテックス(R) 、バイオやワッシャー加工でこなれ感を演出した提案を打ち出しています。
帝人フロンティアの繊維ブランド「ソロテックス(R) 」を使用したシリーズ。「ソフト」「形態回復」「ストレッチ」「クッション性」が特徴のポリエステル繊維系で、ブランドやセレクトショップとのコラボにより注目度が増している素材です。
ポリエステル/リネン ライトキャンバスストレッチ(SOLOTEX使用) BD5523
(左)ポリエステルダブルクロス 2WAYストレッチワッシャー撥水 BD6700
TEXBRID(R)をタテヨコに使用した二重織2WAYストレッチ。ストレッチ性にソフトタッチを実現し、ワッシャーと撥水加工を施したハイスペック素材。
(右)C/N ハイカウント馬布 撥水加工 BD76761
高密度で織り上げたコットン×ナイロン馬布。ハリコシとしなやかさ、ナイロン独特のヌメリ感を同居させつつ、撥水加工を施しています。
(左)高密度コンパクトギャバ バイオダブルワッシャー
(右)コンパクトコットン×リネンカルゼ ストレッチワッシャー BD1280
毛羽が少なく上品な印象のコンパクトコットン。洗いっぱなしのような風合い(シワ)を出すワッシャー加工を施すことで、より自然な印象に仕上がっています。
ミリタリー、ワークを得意とする同社。風合いやわずかな表現の違いのバリエーションなど、無地が多いからこそのこだわりを追求しています。
(左)60/- 超高密度タイプライター エアータンブラー BD8411
旧型の織機で限界まで打ち込み本数を増やした超高密度なタイプライター。エアータンブラー加工を施すことで、しなやかな風合いに。
(右)スーピマ×リネンチノクロス BD1212
スーピマコットンとフランダースリネンの混紡糸を使用し、上品な光沢とスラブ感を表現。
ダックテキスタイル株式会社
デニムを中心とする綿厚地織物の企画・開発・販売を行っているダックテキスタイル株式会社。定番のデニムのバリエーションはもちろん、レディース向けの柔らかい色味・素材感や資材にもおすすめな柄物も展開しています。
2020年春夏向けでは40/-コーマ糸を使用したライトオンスデニムがイチ押し。光沢感が特徴で「デニム=カジュアル」という枠にとらわれず、キレイ目な表情が魅力です。こちらのシリーズは定番から始まり、ストライプ、麻混までラインナップ。ワイドシルエットのパンツなどでも使いやすく好評となっています。
本社がデニムの産地・広島県福山市にある同社。本場の機屋さんと密に連携することで、小ロットや大量生産等、多様化するニーズに対応したものづくりをしています。国産デニムのニーズに応えつつ、コストを抑えた定番も豊富に揃います。
デニムの王道 13oz ムラデニム N1322
(左)13.5oz セルヴィッチデニム VN1328
(右)11oz オックスデニム S755-OX
メンズや雑貨・資材にも好評な立体感のある柄物シリーズ。右のカット刺繍(WALA)は、経糸をカットすることにより、浮き出たせた糸で柄を描く手法で、海外メゾンでも使用されています。
エスニックテイストな柄から、太ピケでコーデュロイのような質感を表現したコードデニムなどの変わり種のジャカードシリーズも。表情に遊び心がある提案も登場しています。
・エスニック(左)…RICAMO
・コードデニム(右)…68S308-1
室谷株式会社
メンズスーツを中心に、コート、カジュアルジャケット、パンツ、レディーススーツなど幅広いアイテムの「副資材」を取り扱う室谷株式会社。
メンズスーツ向けでは業界シェアNo.1で、着心地を左右する重要な存在である副資材を、豊富なストックを活かし、機能性や時代性を取り入れたオリジナル商品も含めて提案しています。
中でも力を入れているのがキュプラのオリジナル裏地「100柄コレクション」。ストックサービスによって一着分から提供が可能で、カスタマイズの需要増加もあり好評のシリーズです。
今回は、パステル調のカラーを追加し、千鳥や小花などの定番から、春らしい桜柄もラインナップ。また、キュプラ×ポリエステルの後染め生地はストレッチ機能がついており、こちらもニーズの増加に合わせて拡充しています。
(左)少し大ぶりな桜柄にはハートのモチーフを密かに入れるなど遊び心が。
(右)差し色で使える淡いトーンの小花柄はストレッチ機能が付いています。
袋地には新たにタフスレーキと名付けたシリーズが登場。特殊な紡績糸を使うことで、従来品に比べ格段の強度を実現したポリエステル100%のシリーズで、同時に製造工程における水とエネルギーの使用量が半減。昇華転写で鮮やかなプリントも可能となっています。
ペーパーライクになりがちなポリエステルの弱点を補う、品位のある質感を実現しつつ、環境への配慮もできた新定番となりそうな商品で、今後はより軽くするために改良も重ねていくとのこと。
新たな取り組みとして表地である帝人フロンティア素材「ソロテックス(R) フルフラン(R)」のストックサービスも開始。まずは3柄2色ずつの展開で、裏地と合わせた提案が可能になります。