
遠州とは?
三河国、現在の愛知県東武に隣接する静岡県西部(浜松市や磐田市、袋井市、掛川市など)を指します。
かつての令制国「遠江国」の別名で読み方は「とおとうみのくに」です。
これは、都(京都)からの距離を基準に都に近い湖(琵琶湖)のある国を近江、都から遠い海辺の国が遠江と名付けられました。
私たちテキスタイルネットもこの遠州で活動しています。

浜松と言えば?
楽器、自動車、うなぎ、餃子、ハンバーグ、、、。
だけじゃないんです!
実は遠州は古くから織物も有名なんです。
そんな「ものづくりのまち」町、遠州から魅力たっぷりな遠州織物をご紹介したいと思います。
1.遠州織物の起源・歴史

古代からの織物文化
遠州地方では、温暖な気候と豊かな水資源に恵まれ、古くから織物づくりが行われてきました。
奈良時代(8世紀)には、すでに麻や絹を使った織物がこの地域で生産されていたと記録されています。
木綿の伝来と発展
室町時代から江戸時代初期にかけて、綿花の栽培が日本各地で広まり、遠州地方でも木綿の生産が始まりました。
江戸時代中期には「遠州木綿(えんしゅうもめん)」として広く知られるようになり、農家の副業としても盛んに織られるようになりました。
1890年(明治23年)、現在のトヨタグループの礎を築いた人物であり、静岡県浜名郡山口村(現在の湖西市)生まれの「豊田佐吉」が世界初の「木製人力織機」を発明しました。
これが現在のシャトル織機です。
きっかけとなったのは、母親が手織り機で時間を掛け苦労して働く姿を見て、「もっと楽に織れる機械を作りたい」と考えるようになったそうです。
なんともいい話です。
改良を重ね、「動力織機」や「自動織機」の開発に取り組みます。
そして1894年(明治27年)豊田式織機製作所を設立し、発明品の製造・販売が始まります。
昭和30年代(1950年代後半~1960年代)には遠州地方の織物産業が非常に盛況となり「ガチャマン」なんて言葉も生まれました。
「ガチャマン」は、「織機(しょっき)」が布を織るときの音「ガチャガチャ」と、1万円(マンエン)を組み合わせた造語で、
織機を1台動かすと「ガチャガチャ」と音を立てて布を織り、その1台で1ヶ月に1万円の利益が出るほど景気が良かった、という意味です。
ちょっと下品ですが(^_^;)
「ガチャマン景気」とも呼ばれ、地域経済の黄金期を象徴する言葉ともなっています。
繊維産業の発展により、関連する機械メーカーや染色業、運送業なども活況を呈し、浜松市や磐田市などは「繊維のまち」として全国に知られるようになりました。
2.遠州織物の魅力

遠州地方の気候が作り出す風合い
遠州地方の気候は?
・太平洋に面しているため、年間を通じて比較的温暖です。冬でも雪がほとんど降ることがなく、雪が降ったら子どもたちは大騒ぎです。
・年間降水量は全国平均と同程度かやや多めで、梅雨や台風の時期にはまとまった雨が降ります。夏は湿度が高く、蒸し暑くなることが多いです。
・冬から春にかけて「遠州のからっ風」と呼ばれる強い西風が吹きます。この風は乾燥して冷たく、洗濯物がよく乾きます。
・日照時間が長く、農作物や織物の生産に適した環境です。
遠州地方の気候や水質が糸や生地の仕上がりに良い影響を与えています。
洗うほどに柔らかくなり、使い込むほどに味わいが増すのも特徴です。
職人の手仕事による高品質
糸染め、織り、仕上げまで、熟練の職人が一つひとつ丁寧に作り上げています。
こだわりの染色方法や加工が施され独特な風合いと肌触りのある生地も必見です。
機能性と実用性
吸湿性や通気性に優れ、衣類や寝具、インテリアなど幅広い用途に使われています。
丈夫で長持ちするため、日常使いにも最適です。
サステナビリティ
天然素材を使い、環境に配慮した生産方法を取り入れている素材も多く、現代のライフスタイルにもマッチしています。
3.遠州織物の用途
遠州織物は様々な製品に利用できる大変汎用性のある素材です。
また、その高い品質と伝統技術から、国内外のハイブランドにも採用されています。
1.衣料品

高品質な綿素材を活かしたシャツやブラウス、パンツの生地として人気です。その他、メンズネクタイやまた、浴衣や作務衣、もんぺ、袢纏、帯などの和装にも使用されています。
2.布小物・ファッション雑貨

肌触りの良さを活かしたハンカチ・スカーフ・手ぬぐい、ストール・マフラーなど季節を問わず使えるアイテムとして重宝されています。
また、独特のデザインや色柄を活かしたトートバッグや買い物バッグ・ポーチなどのオリジナル商品が販売されています。
3.インテリア・生活雑貨

柔らかな風合いと美しい色柄は和洋問わずカーテン・のれんなどで使用できホームインテリアに映えます。
食卓を彩るテーブルクロス・ランチョンマットでも良いですし、丈夫で長持ちするため、クッションカバー・座布団・タオルなどの日常使いにも適しています。
4.おすすめ素材のご提案
魅力たっぷりの遠州生地の中からアイテム別に厳選した素材をご紹介いたします。
S/S春夏 アパレルにおすすめの遠州素材

ODA25226 C/L タイプライター ドラムダイ
天然素材の持つ豊かな表情を表現、伝達できるように小ロットにて手作業にこだわり、生布に機械的な圧力張力等を加える事なく、精錬染色に長い時間を費やし、乾燥に自然な表情を生かす為、天日乾燥にて仕上げています。

ODA25288 C/L ビエラ ドラムダイ
経糸、緯糸共に綿麻の混紡糸を使用した生地を浜松の染工場で昔ながらの手作業にて染色整理加工を施し、生地に独特な染めのムラ感を出しております。
また生地の加工仕上げの際に天日にて乾燥させてシワ感を与えつつドライなタッチのナチュラルテイストの商品になっております。

RN5053 バンブーリネンブロード プラット・エアーイン
バンブー50%/リネン50%の涼し気なブロード生地です。
プラットエアーイン加工の特徴
生地を少ない数量で長時間揉み練り染め下晒を作ります。
この下晒加工によって糸が解撚され・・・

RN5054 100/2GVローン マイヤー
GV (ガスボイル)。。。
100/2という細番手の双糸を追する工程でガス焼きすることで糸の毛羽や不純物を取り除き
光沢のある非常に綺麗な糸に仕上げることが出来ます。
また染色前の下工程でマーセライス加工を施すことで綿が改質、膨潤し更にハリ、コシ、光沢を出すことが可能になります。
綿とは思えないほどのシルキーな風合いを楽しんでいただける商品です。
S/S春夏 ナチュラル系アパレルにおすすめの遠州素材

RN8025 リネン×コットン×ヤク プラット・エアーイン
ヤク(yak)とは。。。
海抜3000mを超える寒冷地方の高原に生息するウシの一種である家畜です。
零下30度の氷雪地帯に生息するヤクは寒さに耐えるため長くて厚い毛に覆われています。
豊富な産毛は光沢、柔らかい風合い、ぬめり感、弾力性、高保湿性に優れており、
独特の濃い茶色が特徴的な高級天然繊維です。

RN9002 麻シーチング ナチュラル・プライド
染工場が独自に開発した染色機を駆使し、表情豊かでナチュラルな風合いに仕上げるため職人さんが情熱と伝統ある遠州産地加工の誇りを胸に手をかけました。
さざ波のようなシワ感と、大自然のような優しいタッチがまるで手染めのような仕上がりになっています。
長い時間、長い工程を経て作られた最高の生地をお届けします。

HK800 綿麻ピンチェック遠州灘
浜松南部に広がる太平洋”遠州灘”、雄大で美しい砂丘に大小の波が寄せては返す。
遠州灘シリーズは少量の生地を時間をかけて洗い揉みこみその波を模した表情が特徴です。
大いなる自然を肌に感じ安らぐことのできる逸品です。

ODA24167 fanage 60/1 Linen
本製品は天然素材の持つ豊かな表情を表現、伝達できるように小ロットにて手作業にこだわり生布に機械的な圧力張力等を加える事無く精錬染色に長い時間を費やし乾燥には自然な表情を生かす為、天日乾燥にて仕上げています。サンプルはODA24167,ODA24164共通となります。
S/S春夏 アウターにおすすめの遠州素材

ODA25316 Cotton Linen 高密度 クロス Drum dyed
経糸、緯糸にコットンとリネンの混紡糸を使用して高密度にがっしり織り上げた生地に昔ながらの手法で染色を行い、仕上げに天日干しで乾燥させておりナチュラルなワッシャー感のある生地に仕上げております。

ODA25327 コットン高密度ダンプ Drum dyed
40/-のコーマ糸を経糸、緯糸共に超高密度にしっかり織り上げた平織の生機に昔ながらの手法で染色を行い、仕上げに天日干しで乾燥させておりナチュラルなワッシャー感と独特な染め感のある生地に仕上げております。

ODA25328 高密度コットンツイル Drum dyed
40/-のコーマ糸を経糸、40/-のカード糸を緯糸に使用して、高密度にしっかり織り上げたツイル生地です。
昔ながらの手法で染色を行い、仕上げに天日干しで乾燥させておりナチュラルな生地にワッシャー感と独特な染め感のある生地に仕上げております。

RN5060 60/2ガスボイルギャバ左綾 プラット・エアーイン
プラットエアーイン加工の特徴
生地を少ない数量で長時間揉み練り染め下晒を作ります。
この下晒加工によって糸が解撚され、生地が最もリラックスすることで自然の表面効果と膨らみ感が出ます。
染色も1回の染ロットを少数にし・・・
エプロンやストールなどの布小物におすすめの遠州素材

RN5000 コットンへリンボン二重織 プラット・エアーイン
プラットエアーイン加工の特徴
生地を少ない数量で長時間揉み練り染め下晒を作ります。
この下晒加工によって糸が解撚され、生地が最もリラックスすることで自然の表面効果と膨らみ感が出ます。
染色も1回の染ロットを少数にして・・・

RN5002 コットンツイル二重織り プラット・エアーイン
プラットエアーイン加工の特徴
生地を少ない数量で長時間揉み練り染め下晒を作ります。
この下晒加工によって糸が解撚され、生地が最もリラックスすることで自然の表面効果と膨らみ感が出ます。
染色も1回の染ロットを少数にして・・・

RN5022 ベルギーリネン キャンバス プラット・エアーイン
プラットエアーイン加工の特徴
生地を少ない数量で長時間揉み練り染め下晒を作ります。
この下晒加工によって糸が解撚され、生地が最もリラックスすることで自然の表面効果と膨らみ感が出ます。
染色も1回の染ロットを少数にして・・・

RN8024 麻シルクキャンパス プラットエアーイン
経糸に太番手の麻、緯糸にシルクの杢糸を使用した交織の生地です。
シルクネップが生地の表情のアクセントになっています。
厚めの生地ですが揉みこみ洗うことにより柔らかい風合いになっています。
バッグにおすすめの遠州素材

ODA25223 コットンリネンラミーキャンバス ドラムダイ
経糸にコットンリネンの糸を、緯糸にコットンラミーの糸を使用し、浜松の染工所で昔ながらの手作業にて染色整理加工を施し、天日にて乾燥させてドライかつ生地にシワ感を与えた生地の表情感を出して商品にあります。

ODA25299 C/L リバーシブルカルゼ ドラムダイ
経糸にコットンの40/-を、緯糸にリネンの40/1とコットンの16/-を使用して織り上げた生地に昔ながらの手法で染色を行い、仕上げに天日干しで乾燥させておりナチュラルなワッシャー感のある生地に仕上げております。
【両面検反を行っておりますので表面、裏面のどちらも使用可能の為、表面と裏面の異なる表情で使用可能です。】35463

ODA35463 オーガニックコットン リップストップ DRUM DYED
昔ながらの手法で染色を行い、天日干しで乾燥させたナチュラルな風合いに仕上げたリップストップになります。
ハードなワッシャー感やアタリがスレが特徴の素材です。リップストップならではの手触り感も魅力の一つになっております。原料はオーガニックコットンを使用しております。

RN5049 コットンと和紙のオックスフォード プラット・エアーイン
自然の恵み、とびきりの肌触り
柔らかい肌触りと空気を含んだような軽さのオックスフォード生地です。
310g/平米
綿81%、和紙19%