
スーツ生地の中でも、ウールやポリエステルなどさまざまな素材が存在します。
中でもサージ生地は、適度な厚みと上質感を併せ持ち、ビジネスやフォーマルなど多様なシーンで着用されている代表的なスーツ用生地の一つです。
サージ生地は、しなやかな手触りや光沢感が特徴で、仕立てもスムーズに行いやすいため、仕上がりが美しく見える点も魅力といえます。実際、多くのブランドが主力のスーツラインにサージを採用しており、安定した人気を誇っています。
本記事では、サージ生地の基本的な特徴から織り方、使用される素材、製品への活用例やメンテナンスなどを一挙に解説します。サージ生地を検討している方だけでなく、スーツ選びで失敗したくない方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
サージ生地とは

サージとは英語で“serge”と書きます。
梳毛糸(そもうし)という羊毛の長い毛から作った滑らかな糸を使用した綾織で織った毛織物のことから由来しています。
サージ生地とは、斜めに畝(うね)が入る綾織(あやおり)によって作られた生地のことで、表面に見える斜線の模様が特徴的です。
この織り方によって、柔軟性と耐久性が高まり、スーツやジャケットなどに適したほどよいハリとしなやかさが得られます。歴史的にも軍用の制服や学校の学生服などで使用されてきた実績があり、耐久性に加え、見た目の上品さでも注目されている素材といえます。
また、サージ生地は糸の撚り(より)加減や織りの密度によって仕上がりの風合いが微妙に異なるのも面白い点です。上質な原材料を使用したサージは、きめ細やかな光沢とさらりとした肌触りをもたらし、高級スーツのイメージを強く印象づけます。
手入れをしっかり行えば長く着用できるため、コストパフォーマンスという観点からも注目を集めています。
紺や黒のベージュなどのベーシックカラーが中心でスーツや学生服などフォーマル系の衣類によく使われます。確かに学生服は長持ちですね!
クリア加工とは
サージ生地を織り上げた後に行われる仕上げ加工の一つに、クリア加工があります。これは、生地の表面を整え、余分な毛羽を取り除くことで光沢や質感を高める工程です。
加えて、糸の組織がより揃いやすくなるため、織り目の美しさを際立たせる効果も得られます。
クリア加工が施されたサージ生地は、滑らかで高級感のある仕上がりになります。
おすすめのサージ生地
サージ生地は何から作られる?
サージ生地は、ウールやポリエステル、あるいはこれらを混紡した糸によって織られるのが一般的です。
ウール100%であれば冬用のスーツとして保温性や風合いに優れ、ポリエステルを混ぜるとシワになりにくく軽快な着心地を実現します。
さらに、織りの構造によって伸縮性や耐久性を向上させることができ、長時間の着用でも疲れにくいという利点があります。素材選びによって、季節や用途に合わせた仕立てがしやすい点も大きな魅力といえるでしょう。
-メリット-
●織り目がはっきりする
●ツヤが出てエレガントな印象になる
●コシが強くハリがある
●比較的シワになりにくい
また、最近ではコットンやリネン、ポリエステルを使用したサージ生地も登場しています。
通販サイトでもウールに比べお手頃な値段で購入できます。
サージ生地の用途と魅力
サージ生地は、スーツだけでなくジャケットやパンツ、さらにはスカートなどさまざまなアイテムに利用されています。
適度な厚みとしなやかなコシを持ち、着用する人の体型をスマートに見せるというメリットがあるのです。さらに、きめ細かな織りがもたらす上質な風合いは、フォーマルからカジュアルまで幅広くマッチし、ビジネスシーンのほかちょっとしたパーティーシーンでも活躍してくれます。
サージ生地のお手入れ方法

サージ素材の服は、着用後ブラッシングを行うのがおすすめです。
実は快適で使いやすい反面、ホコリなどが付いてしまうと生地の奥まで汚れてしまうというデメリットがあるんです。
馬毛などの柔らかいブラシを使えば簡単にホコリなどの汚れを落とすことができ、生地も長持ちします。
摩擦に弱い生地のため、アイロンをかけるときもあて布をしてなるべく擦らないように注意します。
ウールを原料としているサージ素材の場合は家庭での洗濯は注意する必要があります。
他の原料でも洗濯が可能かどうか確認をするようにして、自宅での洗濯ができない場合はクリーニングに出すようにしましょう。
まとめ
サージ生地は、フォーマルウェアやユニフォームに最適な高級感と耐久性を兼ね備えた素材です。正しいお手入れをすることで、長く美しい状態を保つことができます。
サージ生地の特徴やメリットを理解し、用途に合わせて選ぶことで、より快適で上質なファッションを楽しみましょう。









